興味はあるけれども、なかなか手が出せない家電製品を1つ挙げろと言われて、真っ先に「ロボット掃除機」を思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。家の中を自動的に掃除してくれて家事の手間は省けることから人気の一方、どれだけの効果が得られるかは未知数で、そこそこのお値段がすることもあって手が出せない――そんな人は少なくないはずです。
こうしたニーズを見越してか、100円ショップとして有名なダイソーが取り扱い始めたのが、わずか550円で入手できる自走式のロボット掃除機です。円形で厚み数センチはあるボディの形状は市販のロボット掃除機そのものですが、価格は数万円台から販売している「ルンバ」などと比較してケタが2つも異なります。それだけに、どれだけの実用性があるかは気になるところです。実際に製品を購入して試してみました。
単三電池3本で動き出し、軽さはスマホ2台分ほど
ざっと製品のアウトラインを見ていきましょう。本製品の直径は約23センチ。A4コピー用紙の上に置くと、横幅がわずかにはみ出るサイズです。厚みは約5センチとそこそこのボリュームで、存在感はかなりのものです。
その一方、重量は拍子抜けするほどの軽さです。本製品は単三電池3本で駆動するのですが、それ込みでも300グラムちょっと、スマホ2台分程度の重量しかありません。ボディが樹脂製ということもありますが、電池ボックス以外は空洞なのでは? と思うほどの軽さです。
底面には3つの車輪が付いており、そのうち先頭にある1つが、モーターによって駆動します。左右に可動し、障害物にぶつかるたびに進行方向を変える仕組みです。
「吸い込む機能」はない じゃあどうやって掃除する?
この時点で気付くことは2つ。まず1つは、ホコリや髪の毛を不織布にくっつけるだけで、市販のロボット掃除機のように吸い込む機能はないということです。つまり掃除機というより、不織布を用いた「空拭きマシン」という表現が正確です。
また多くのロボット掃除機のように、出発地点に自動的に戻ってくるなどの巡回機能はなく、止める時は人間が出向いて電源ボタンを押す必要があります。スマホアプリとの連携もしないため、スマホから動作をコントロールしたり、また家の中のマップを自動的に作成して隅々までムラなく走行したりといった働きも期待できません。この時点ですでに、ロボット掃除機としては一抹の不安を感じさせます。
ともあれ、まずは実際に走行させてみましょう。


