使った結果「逆に部屋が汚れて見える」怪現象も……

 使い方は、まず本体底面に不織布のシートを貼り付けたのち、床に置いて上部のスイッチを押し込みます。あとは放っておくだけで部屋の中を走行し、ホコリや髪の毛を不織布シートにくっつけて回ってくれます。不織布は15枚が同梱されており、汚れたら交換する仕組みです。

上部のスイッチを押すと走行を開始します
走行開始。底面の不織布シートにホコリや髪の毛をくっつけて回ってくれます

 さて、実際のゴミの吸着能力はどうでしょうか。約8畳の部屋で1時間ほど運転した結果が、次の画像です。思いのほかきちんとホコリなどを付着できていることがわかります。正直あまり期待をしていなかったので、この結果は逆に驚きです。

1時間ほど走行した結果がこちら。ホコリや髪の毛をきちんと吸着できていることが分かります

 ただし今回試した部屋のコンディションは、本製品にとって有利な条件が揃っていたことは差し引く必要があります。具体的には、過去何カ月か拭き掃除を行っておらず、普通にモップ掛けするだけでそこそこのゴミが付着する環境だったこと。またベッドや棚など、下にホコリがたまりやすく、掃除が行き届きにくい家具が室内に多かったことです。

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 また不織布に汚れをくっつける仕組み上、紙やセロハンテープの端など不織布にくっつかない素材や、床に落ちた爪のカケラのように、一定の重量があるゴミは、そのまま放置されがちです。今回の実験でも、本製品が通過したあとにこれらのゴミが落ちている例が目立ちました。

 さらに、ホコリや髪の毛はたしかに吸着できるのですが、製品の構造上、底面よりも側面にくっつきやすいのが気になりました。方向転換の拍子にせっかく吸着したゴミが振り落とされて部屋の真ん中に塊ごと放置されたり、車輪に巻き込んで走行不能になることもしばしばです。

これは前輪がホコリの塊を巻き込んで走行不能になった例。ホコリを吸い込む機能がないため、当然このようなことは起こります
こちらは底面に貼り付けていた不織布シートを前輪が巻き込んで走行不能になった例。これも発端はホコリと見られます

 結果として、せっかく人の手が届きにくい家具の下から掻き出してきたホコリが、わざわざ部屋の目立つところに放ったらかしにされてしまい、走行後の方がホコリや髪の毛が目立つようになっていることもしばしばでした。トータルではホコリや髪の毛を減らすのに役立っているのですが、一見するとかえって汚してしまったように見えるのは少々問題です。