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「AIを、いかにして稼ぐ力に変えるか」
では、本来どのような成長戦略が必要なのか。熊野氏は、物価対策の最大の切り札は「賃上げ」であると強調する。しかし、その恩恵は雇用の7割を占める中小企業にまで及んでいないのが現状だ。「今回の超大型補正が、どのぐらい中小企業に恩恵があるのか」と、大規模な財政出動の効果に疑問を呈する。
そこで熊野氏が提案するのが、経済対策にも盛り込まれている「AI」の活用だ。ただし、日本独自のAI開発といった壮大な目標よりも、「多くの中小企業でも活用できるAIを、いかにして稼ぐ力に変えるか」という現場目線が重要だと指摘する。
AIを中小企業に手取り足取り教える人を
具体的には、AIの専門家を直接派遣するのではなく、「中小企業診断士のような形でAI活用を指導できる人材」を1000~2000人規模で育成し、全国の商工会議所などを通じて派遣する構想だ。「こうやって使うんですよ、と手取り足取り教える人がいれば、生産性は大きく上がる」と熊野氏は言う。
一人当たりの生産性向上は、中長期的な賃金上昇に直結する。熊野氏は「規模ではなく、質的に展開すれば良いことが起こる」と述べ、現場の課題解決に資するきめ細やかな政策こそが、日本経済を底上げする鍵だと語った。
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