「本当に頭が悪い」「よくこんなまずいもの作れるな」と言われ……
和子さんは一度言葉を切って、続けました。
「1日中、バカ扱いされ続けるんです。テレビを観て何か言うだけで『お前は本当に頭が悪いな』とか『何にも分かってないな』とか。料理も『よくこんなまずいもの作れるな。お前がバカだからだ』とか。コロナで娘の学校が休校になった時は、娘の前でも頻繁に『バカだな』と言うので、娘も『お母さん、バカだからね』って言うようになって。それが耐えられなくて」
和子さんはそこで少し涙ぐみました。
「辛いですね」
私がそう言うと、涙をぬぐいながら、頷きました。
「私は本当にバカだから仕方ないって思っても、娘に言われるのは辛くて。この間は夫が娘に、『お母さんみたいにならない為に勉強頑張れよ』って。そうしたら娘が『分かってるよ』って笑いながら答えていて。私、耐えられなくてその場を離れました」
自己評価が低すぎて、謝り続けていた
「ご主人に、やめて欲しいと言った事はないんですか?」
「いいえ、ずっと謝っていました。特に料理の事とかは『ごめんなさい、もっと勉強します』と言って、料理教室にも行ったんですけど、やっぱり私バカだから上手になれなくて」
自己評価が低過ぎると思いました。結婚後にこうなってしまったのか、結婚以前からなのか、しっかり調べる必要があります。
「友だちに相談したんです。ずっと誰にも言わなかったんですけど、本当に耐えられなくて、幼馴染みたいな友だちに相談したら、『それってモラハラじゃない?』って言われて。だから、専門家に相談しようと思って、ここに来たんです」
