「夫から女性へのメールがすごく性的な、いやらしい文面で」――カウンセラーを訪問した40代の女性は、こう明かす。何でも夫のスマホを見て、マッチングアプリで連絡を取り合っていることが判明したのだという。

 年間に20万件弱も発生している「離婚」。夫婦の衝突や、それぞれの抱える葛藤の行きつく果てといえるが、その前段階でお互いのことを理解し合えれば「壊れかけた夫婦」は再生できる。

 長年、多くの夫婦と向き合ってきたカウンセラー・山脇由貴子氏による新著『夫婦はなぜ壊れるのか カウンセリングの現場で見た絶望と変化』から、夫がマッチングアプリを使用していると知ってしまった妻からの相談事例をお届けする。なお、プライバシーへの配慮から本文中の名前は全て仮名。(全2回の1回目/続きを読む)

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画像はイメージ ©AFRC_317/イメージマート

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「夫がマッチングアプリで複数の女性と連絡を取り続けているのが分かって……」

 美由紀さん(42歳)が言いました。なんだか夫の様子がおかしいと感じた美由紀さんが、夫のスマホを見たことで発覚したそうです。

「しかも、夫から女性へのメールがすごく性的な、いやらしい文面で。私もうショックで。夫のそんな面を見た事なかったので……」と、うなだれます。私は夫の勇一さん(44歳)に尋ねました。

「ここにおいでになる事に抵抗はなかったですか?」

 勇一さんは顔を上げて、言いました。

「抵抗がなかった訳ではありません。でも、妻から、これからも一緒にやっていきたいなら、カウンセリングに来るのが条件だと言われて……」

 きっとカウンセリングでも責められるだろうと思っていたはずです。それでも来たという事は、夫婦関係を続けていきたいという勇一さんの意志は固いようです。