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司法試験を目指したけれど⋯
父親は他にもいくつかの会社を紹介するとしつこく言いましたが、資格を取って開業したいと説得し、法科大学院に進学したのです。
三年で法務博士の学位は取得したのですが、司法試験には合格できませんでした。三十歳を越えていましたが、父親のコネで中小企業の法務部に入社することができました。
ところが、ここでも女性社員のパワハラに遭うことになりました。僕の上司は、氷河期世代の就職難を乗り越えて入社した優秀な女性社員でした。それだけに、僕のような優遇された身分の男が許せなかったのかもしれません。
僕は彼女の満足のいくような仕事ができないまま退社に至ったのです。それからは、引きこもりです。