国語辞典編纂者の飯間浩明さんが“日本語のフシギ”を解き明かしていく人気連載「日本語探偵」。今年掲載された記事を通して、2025年を振り返っていきます。[全12記事]
〈1月〉【げ】「言語化」が定着 これも時代の要請か
毎年注目される「新語・流行語大賞」とは別に、辞書編纂者らが地道に続ける「今年の新語」というイベントがあります。2024年の大賞は「言語化」でした。「モヤモヤが言語化できない」…

〈2月〉【か】「かぜを引く」の語源 フェイクを報道した番組
ニュース番組で、ことばの話題が話の種として紹介されることがしばしばあります。でも、根拠のない完全なフェイクが放送されたのには驚きました。1月9日放送の「Nスタ」(TBS系)で…

〈3月〉【お】「恐れながら」の一言 たしかに言わなくて結構
フジテレビ系「ぽかぽか」(1月21日放送)のマナー講座が変だと、SNSで批判が起こりました。私自身が注目したのは、べつに問題のない言い方をことさら取り上げ…

〈4月〉【ま】「ますだ」という語尾 どの方言で使ってるのか
筒井康隆さんの長編「48億の妄想」で、ニュースショーの出演者に〈架空の田舎言葉〉を話させて地方色を演出するくだりがあります。特に注意を引くのが〈お願いしますだ〉〈わかりますだ〉など…

〈5月〉【ぜ】「全国」は国全体? 辞典は説明できるのか
SNSでことばに関する疑問をつぶやいた人が、「飯間さんに解説してほしいな」と書き添えていることがあります。頼られるのはうれしいですね。でも、申し訳ないことながら、私はそれに答えたり…

〈6月〉【ふ】「舟を編む」ドラマ版 厳密な考証をご堪能あれ
ドラマの小道具というのは難しいものです。最近、国民的に人気のあるドラマで、戦前の設定なのに、本棚に『水上勉全集』が並んでいて、驚きました。一方、時代を踏まえて、書籍の一つ一つまで…

〈7月〉【あ】「喘ぎ声」と聞いて変な想像する必要なし
米の価格の高騰を受け、政府は備蓄米を流通させる政策を進めています。SNSでも米価に対する不満の声は多く、ある投稿では〈国民の喘(あえ)ぎ声〉という表現が使われました。これが本筋とは…

〈8月〉【か】「傘を差す」の意味 AIが考えてくれたが
私の文章をAI(ChatGPT)に読ませて、点検してもらうことがしばしばあります。「もしかして、私の代わりに書けるんじゃないですか」と尋ねると、即座にコラムを生成してくれました。…

〈9月〉【ひ】「避暑地」は消えるか この際マジレスしてみる
2025年の夏は、北海道でも38~39度を記録するほどの猛暑になりました。そんな中、『毎日新聞』7月22日付夕刊「近事片々」に〈列島沸騰。国語辞典からいずれは消えるか「避暑地」〉というつぶやきが…

〈10月〉【と】「討伐」をめぐる論争 責任は国語辞典にあった
作家の三雲岳斗さんがSNSに投稿した文章(9月5日)に目を奪われました。原稿に〈モンスターを討伐する〉と書いたところ、校閲から「討伐」とは〈兵を派遣して罪のある者や従わない者などを討つこと〉だと…

〈11月〉【や】「安らかに眠る」炎上 原因は語感の変化にあり
インフルエンサーの希空(のあ)さんが、夏に生まれたばかりの妹を抱いた写真を公開しました。そのことを10月7日にTBS NEWS DIGが配信したところ、炎上を招いてしまいました。記事タイトルが…

〈12月〉【お】「押しも押されぬ」は江戸時代の語法の残存だ
「押しも押されもせぬ大スター」のように「押しも押されもせぬ」という言い方があります。こっちから押すことも、向こうから押すこともない、びくともしない、という意味です。…

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