「証拠の90%喪失」を許した地元警察
しかし、インド中央捜査局(CBI)が捜査を引き継ぐと、状況は一変する。CBIは地元警察の杜撰な捜査を厳しく批判した。現場立ち入り制限の不徹底により「証拠の90%が喪失」し、夫婦の部屋と娘の部屋の間には騒音を発するエアコンがあり物音はほとんど聞こえない状況だったこと、ラジェッシュの服に血痕がなかったことなどを明らかにし、夫婦が犯人であるという警察の見立てを否定した。
その後、CBIはヘムラッジの友人3人に疑いをかけ、ナルコアナリシスなどを実施。3人は酩酊して少女に乱暴しようとしたがヘムラッジに阻止され、騒ぎ出した少女とヘムラッジを殺害したと自供したが、DNA証拠などが見つからず不起訴となった。
捜査開始から約1年半後、CBIは方針を転換し再び両親を起訴。2013年に裁判所は夫婦に有罪判決を下し終身刑を宣告したが、2017年に高等裁判所が「有罪とする証拠はない」として逆転無罪を言い渡した。
しかし今なお、世間やメディアは両親に疑いの目を向け続けている。いったい誰がアルシとヘムラッジを殺害したのか。インド最大の未解決事件とも言われる本件の真相は、いまだ闇に包まれたままである。
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