両親へのカミングアウトは……
――おふたりとも両親には、明かしていないと。
メイコ 私はもともと両親と折り合いがよくなくて、一緒に住んでいたときは、お互いにぶつかって大変だったんです。一人っ子なので、全ての矛先が私に向けられるというか。
「いい学校に行って、いい会社に就職しろ。そして、いい男を見つけろ」みたいな。私を使って自慢したいタイプの人たちで、いわゆる「毒親」ですよね。そんな両親に、本音を明かそうとは思えず……。両親は、私が友情結婚をしているなんて夢にも思っていないはずです。結婚報告も、「アプリで知り合った人と結婚するよ」ぐらいでした。
カイト 私も言えませんね。友情結婚なんて想像もしていないでしょうね(笑)。
――性的指向が原因で、嫌な思いをしたことは?
メイコ 特にないですね。そもそも性的指向を人に明かすことがないので。
カイト 男性同士で「好きなAV女優や芸能人は?」「好きな人は?」みたいな会話になったときに、その場しのぎでやり過ごすぐらいですね。
友情結婚を知ったきっかけは?
――お2人は、掲示板で出会ったそうですね。
カイト もともと、ずっと独身でいるつもりでしたが、世間体や両親からの「孫の顔が見たい」という声から、結婚を考え始めて。職業が保育士なので、結婚していると保護者に安心してもらいやすいという考えも、少しありました。それで、女性との性行為ができない自分でも結婚できる方法がないか調べたところ、ネットで「友情結婚」のワードを見つけたんです。
メイコ 私も似たような感じで、一人っ子なので両親からの「孫の顔が見たい」というプレッシャーがすごくて。「両親を喜ばせたい」というより、「子どもを持てば、もう私の人生に口出ししてこないだろう」と思ったんです。両親が亡くなったら私は1人になってしまうという心配もありました。
でも、男性との性行為ができない私には、普通の恋愛や結婚は難しい。そんな自分でも結婚できる方法がないかと考え始めました。そんなとき、契約結婚をテーマにしたドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』を見て、「ドラマがあるぐらいなら、他にも同じようなことを思っている人がいるのでは?」と思ったんです。ネットで探してみたら「友情結婚」の掲示板が見つかって、そこでカイトさんと知り合いました。
――そこで声をかけた。
メイコ はい、カイトさんが書いていた条件に当てはまっていたので、私も「性的マイノリティで友情結婚を考えている」とメッセージを送りました。
カイト 2019年の年末からやり取りを始めて、2020年の年明けに初めて会いました。当時、僕が30代中盤、メイコさんが30代前半でした。何度か会って話し合いをして、数カ月間の同居を経て2021年の秋に入籍しました。
