恋愛や性行為を伴わず、相互扶助などを目的とする結婚の形、「友情結婚」をする男女が少しずつ増えている。そうした夫婦の一つ、40代男性のカイトさんと30代女性のメイコさんは、互いにカイトさんはゲイ、メイコさんは他人に性的欲求を持ちにくいアセクシャルという性的マイノリティで、異性との性行為ができないが、もともと結婚して子どもを持ちたい願望があったという。

 そこで、互いの需要が一致する相手を掲示板で探し、数カ月の同居を経て夫婦となった2人。現在は、2歳の長女を育てる3人家族だ。互いに恋愛感情を持たない2人は、どのように家庭を運営しているのか。(全3回の2回目/続きを読む

1児を育てる「友情結婚」夫婦のカイトさん(左)とメイコさん(写真提供=本人、以下同

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恋愛も性的関係もない夫婦が送る「同居生活」のリアル

――恋愛感情がなく、付き合いもそう長くないタイミングで同居されたそうですが、生活は順調だったのですか。

カイトさん(以下、カイト) 大きなトラブルはなかったですね。事前にお互いの譲れない条件などを話し合っていた時点で「いけるだろう」って感覚はありました。もちろんちょっとした価値観の違いはありますよ。例えば、僕が自宅で使っていた炊飯器を新居に持っていったら、「それは汚いので捨てよう」とメイコさんに言われたり。

メイコさん(以下、メイコ) あまりにも汚かったから(笑)。

カイト えー、そんなことないでしょ(笑)。でも、そうした違いは都度話し合いながら、解決してきました。

メイコ 同居を始めたばかりの頃は、お互いの休日が合わなかったので、一緒にいる時間が長くなかったんです。晩御飯だけ一緒に食べるぐらい。どちらかが休みのタイミングで掃除や買い物を済ませておく、という感じでしたね。リビングにソファなどの家具も置いていなかったし、お互いに自室で過ごすことが多くて、ルームシェアのような感覚でした。

 同居開始から約2カ月後に私が転職して、お互い土日休みになって。そこからは週末に一緒に掃除したり、買い物したり、協力し合うようになりました。そうした関係は子どもが生まれた今も続いていて、週に1度は家族みんなで買い出しに行きます。