「ウィナーズレディはただのお飾りじゃない」

――やっぱりそういう反響は多いんですか?

姫野 「騎手に口説かれたりしないの?」とか、よく聞かれます。実際には、口取り式で「おめでとうございます」と言う程度しか接点はなく、ほとんど話す機会もないんですけどね。レースクイーンのお仕事のときにはファンからそのような反応はなかったので、かなり意外でした。私に対して言われるのはまだいいんですけど、関係者について言われるのは心外です。だから、そういったイメージを絶対に変えてやろうと思って活動してきました。ウィナーズレディはただのお飾りじゃないぞ、と。

ウィナーズレディを務める姫野みなみさん(写真:本人提供)

――具体的にはどのような活動を?

ADVERTISEMENT

姫野 競馬場での活動以外にも、ウィナーズレディの活動をSNSで積極的に発信してきました。(現場では)しゃべる仕事ではないけれど、せっかくSNSがあるんだから色々なことを伝えていきたいと思っています。たとえばジョッキーにヤジを飛ばさない、などのパドックでのマナーに関しても、主催者サイドよりも、私たちからのほうが中立的な立場で注意喚起できると思うんですよね。注目してもらえるぶん、私たちがそういったことも伝えるべきだと思っています。活動を3年間がんばってきて、最近はもう私たちにアンチコメントを投げかける人はほとんど見かけなくなりました。「姫野=馬好き」というのが伝わったのか、風通しはすごく良くなったと感じていますし、特に女性ファンが増えたのが大きいですね。

「ドラマがあるところ」が競馬の魅力

――ウィナーズレディの仕事には、どのようなやりがいを感じていますか?

姫野 ウィナーズレディというのは、自分が主役になってはいけない立場なんです。それは日頃から口を酸っぱくして言っているんですけど、あくまで勝った馬主さんに喜んでいただくというのが活動の趣旨なんですよ。それでも私たちをきっかけに競馬に興味を持って、競馬場に来てくださる方もいて、ウィナーズレディも競馬場の楽しみのひとつだと言ってもらえるのがいちばん嬉しいですね。個人的には、乗馬の経験があるのでウィナーズレディを現役でやっているあいだに誘導馬に乗ってパドックを歩いてみたいですね。

 

――姫野さんにとって競馬の魅力とは?

姫野 ドラマがあるところです。1頭の馬に、いろいろな人が関わっていますし、みんなでひとつになる感じ、一体感があるところが、本当にドラマチックで素敵なスポーツだと思っています。口取り式は関係者のドラマを間近で感じられる場ですから、そういった物語の部分も伝えていけたらな、と。みんなが楽しめる物語があるところが、美しいと思うんですよね。

次の記事に続く 23歳でグラビアデビュー、24歳で“馬主”に…有馬記念で“華”を務める女性(28)が「スポットが当たらなかった馬」に自分を重ねた理由

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。