「中国人を公開処刑」SNSから見える“ワ州”の実態
こうしたアプリを通じて、ワの人々の生活を垣間見ることができる。アップロードされた動画をいくつか見ると、ワ州は超乱暴という評判どおりだ。パンサンのナイトクラブでの平手打ち対決。泥棒をバスケットボールのゴールに縄で縛りつけてスリッパで叩きまくる群集。そして公開処刑──ワ人の宝石店主の殺害で告発された中国人3人が泥の丘を引きずられて射殺される。
その一方で、顔をしかめたくなるこういった投稿より、陽気な投稿のほうがはるかに多い。ギターを弾きながら、やさしい声でワ州国歌を歌う小隊。UWSAの軍服を着てハイウェイのまんなかでブレークダンスを披露するBボーイ。
男女を問わず、UWSA兵士の投稿でもっともよく見かけるのは、アプリで加工された写真だ。世界じゅうのモテたいZ世代の習慣である。これらと麻薬国家の戦士としての評判をいっしょくたにするのには無理がある。
中国が“麻薬国家”ワ州に介入できない理由
ワ州の政治的未来について言えば、新たな危機は到来するだろうが、州自体は非常に安定している、それに大いにかかわっているのが中国との関係だ。
「山寨中国」という表現は死語になりつつあっても、ワ州は従属国家なのだ。UWSA中央委員会は中国からの細かい要求にすべてしたがう必要はないが、大きな政策変更に関しては、事実上の拒否権を握る中国共産党の担当者に相談している。
ワ州の指導者はこうした従属的な立場をよく思ってはいないけれど、中国が武器や燃料、機器、通信インフラなどを供給しているかぎり、巨大な隣国の意向にしたがわざるをえない。
勃興する超大国に発展途上国が与することは過去にもあった。台湾やイスラエルはアメリカの従属国になることで繁栄している。21世紀においても中国が力を増しつづけるのであれば、ワ州も中国の従属国として繁栄できるだろう。
その一方、ワ州指導部はしたたかに中国による併合を防ぐための安全策を講じている。というのも、ワ州はビルマ内に位置しているので、中国もワ州の領土をあからさまに獲得することはできないのだ。国際連合が承認している主権国家への侵略になってしまう。
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