さらに、私は、「紀子さまが結婚する上で、両親として不安を感じませんか」と、質問した。辰彦さんは次のように話している。

「かりに不安がないと申しましては、ずいぶん無責任なことになってしまいます。お答えとして適切かどうか存じませんが、子供が結婚するということは、いくつかの不確実性を伴う、新しいプログラムが始まることを意味していると思います。(略)人生において、不安ばかりをいつも抱えておりましたら、見知らぬ国を訪れることはできません」

 結婚し、国民から「紀子さま」と呼ばれるようになってから、ご夫妻が娘について公の場で語ることはほとんどなくなった。それだけに、“娘が皇室に入る”という一大事を目前にしてもなお、ごく自然に、素直な心境を語ったご夫妻の姿は今も色濃く思い返される。父親は娘のことが大好きで、気丈に振る舞ってはいたが、心の中では寂しくて、泣いているーーインタビューの間、筆者はそんなふうに感じていた。

礼宮さまと川嶋紀子さん(当時)の「納采の儀」での川嶋ご一家 ©時事通信社

紀子さまはピンクのワンピース姿で

 それだけに、嫁ぐ日の朝、娘との別れの場面は実に感動的だった。

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 結婚式当日の朝、紀子さまと家族は、学習院共同住宅にある自宅から階段で屋外に降りてきた。紀子さまはピンクのワンピース姿で、同じ色の帽子、胸には真珠のネックレスが輝いていた。宮内庁からの迎えの車に乗り込む紀子さまを、家族が温かく見送った。

家族とあいさつを交わす紀子さま〔1990年6月29日撮影〕 ©時事通信社

「その瞬間の気持ちを大切にし、そのときに何か伝える言葉があれば」と、筆者のインタビューで、しみじみと語っていた父親は手を握り、しばらくの間、じっと娘を見つめていた。嫁ぐ紀子さまに、なんと、言葉をかけたのだろう。

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