たとえば今年の年末年始に予想されている最長の渋滞は、1月3日東北道上りの加須IC付近における35kmの渋滞。通過にかかる時間は70分と見込まれており、平均速度としては29.9km/hとなる。

 一方、加須ICのある埼玉県の一般道における平均速度は25.0km/h。渋滞時の迂回路となりうる群馬県の一般道では28.9km/h、栃木県は33.5km/hと、下道に降りたからといって大幅な時間短縮は見込みにくい。

 もちろん降りた先がよく知る道路で、抜け道も熟知しているのであれば、下道策がうまくいくこともあるだろう。ただ馴染みのない道の場合、「わかりにくい交差点」や「急な車線の減少」など、運転時に気を回さなければならない点も多くなる。

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 またインター出入り口や商業施設周辺の混雑など、年末年始には予測が難しい要素も多い。時間の観点からも安全の観点からも、「渋滞していても高速のまま」という判断が無難といえる。

最大の落とし穴は…

 最後に、運転時の判断やマナー以前の問題として、欠かせないのが「出発前の点検」だ。どれだけ車間距離や合流に気を使っても、自分の車が故障してしまえば元も子もない。それどころか、自分自身が大渋滞の直接的な原因にもなりかねない。

 JAFの発表によれば、高速道路における救援要請のうち、もっとも多い原因はタイヤ絡みのトラブルである。昨年度の年末年始期間では、1日あたり60台以上の車両が高速でのパンク・バーストでJAFの救援を呼んでいる。空気圧の充填や、亀裂・偏摩耗のチェックなど、出発前のひと手間で防げるトラブルは多い。

写真はイメージ ©AFLO

 また冬場にはノーマルタイヤ装着車による雪道での立ち往生も頻発する。出発地と目的地だけでなく、ルート上に降雪の可能性が少しでもあるのなら、スタッドレスタイヤへの交換やチェーンの車載といった備えをしておきたい。

 その他、冬期にはバッテリー上がりによる救援要請の件数も跳ね上がる。自身での判断に不安があれば、給油のついでにガソリンスタンドでプロの目を借りるのが確実だ。

 もちろん万全の整備をしていても、他車の立ち往生に巻き込まれるリスクは排除できない。雪道で車内に長時間閉じ込められるケースも想定し、食料や水分、携帯トイレや防寒用品など、「車内で一夜を明かせる装備」を積んでおくとよいだろう。

次の記事に続く 「子連れ帰省は車一択」が離婚の引き金に? 雪道で軟禁、親戚の送迎係…“便利な足”が招いた年末年始の悲劇