昼間から「行為」に勤しむ人たちを尻目に、せっせと清掃

 広いテーブルが置かれ、10人ほどがホテルの従業員用ユニフォームを着て待機している。年齢は20~60代くらいまで幅広い。窓はないけれど、雰囲気は明るい。意外だったのは、若い女性が主流の職場ということ。女子高の教室に紛れ込んだようだ。

「どこからいらしたんですか?」

「オトウサン、おいくつですか?」

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 質問攻めにあった。“オトウサン”というのは、僕の父親のことではなく、僕自身のことだ。

 店長は40代の男性、オクムラさん(同)。

「今日は1日、客室の掃除とベッドメイクをやってもらいます」

 オクムラさんに指示された。客室の掃除とベッドメイクならば、伊豆で体験済み。リゾートホテルもラブホテルもシーツの取り替えにはそれほど大きな違いはないはずだ。

 その場でオクムラさんによって、3人1組の、客室をセットアップするチームが3つつくられた。お客さんが2~3時間の滞在に利用する昼間のラブホテルではチェックイン・チェックアウトの時間の指定はない。客のカップルが部屋を出たら即客室へ向かい、掃除をして、次のお客さんのためにセットアップする。ラブホテルは客室の回転率が勝負だ。

 できるだけ早く部屋をもとの状態に戻して、次のお客さんを迎え入れる。

 このホテルの部屋数は約50室。どの部屋もデザインはシンプル。客室は古いチェーン系のビジネスホテルよりもはるかに広く、清潔感もある。だからだろう、昼にはすでに満室になっていた。大阪のカップルは、真昼間からセックスに励んでいる。

 バックヤードにはモニターテレビが並び、ホテル前、フロント、廊下の各部屋の入口付近、エレベーター、満室のときにお客さんが待つブースを映している。

 おっ、3階が1室空いた。部屋からカップルが出てくる様子が確認できた。若いのに腹の出た男と、水色のワンピースを着たアイドルのような女性。

「クソッ、アイドルみたいなコとイチャイチャしやがって」

 嫉妬と羨望で、心の中で毒づく。

次の記事に続く エントランスで“おっぱじめる”カップルに、血痕のついたシーツ…「ラブホ清掃員」たちの“奇妙すぎるお仕事事情”

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