陰謀論はなぜ面白い?
麻雀といえば、昭和の時代は「流れ」や「ツキ」など、オカルトの世界に支配されていた。対局結果によって、「流れが悪いのに勝負するから負けたんだ」とか「ツイてる時に立直して攻めないからダメなんだ」などと非科学的な根拠を理由に批判され、特に若手プロたちはずいぶん苦労していた。
オカルト全盛の時代は権力と実績で勝る年長者が黒といえば白いものも黒になる世界だった。それがインターネット中継など放送対局の普及によって、視聴者が全員の手牌を見られるようになり、流れとかではなく、牌がそこに積まれていただけということに皆が気がついた。そして、次第に麻雀も確率や統計での科学的なアプローチが主流になっていったという歴史がある。
なのに案外と麻雀プロってこういうオカルト話がいまだに好きなんだなと思うと、面白い。
私はオカルト的なものにほとんど興味がない人間なんだけど、それがコンテンツとしては意外と面白いことを最近になって学んだ。
「ナオキマンの都市伝説ワイドショー」というバラエティ番組をABEMAで制作したからだ。過去に何度も、心霊現象、都市伝説、陰謀論といった類のものをテーマにした企画が会議で上がってきていたけど、いつも却下していた。なぜなら、作り話はドラマでやれば十分だと思っていたから。でも、今回は当選直後にトランプ大統領の自宅に招かれた、いま話題のナオキマンさんが出演してくれるということで、一度やってみることにしたのだ。
中身はそんなに期待してなかったのに、オンエアされたものを観て、私はずっとゲラゲラ笑っていた。純粋に面白かったのだ。ナオキマンさんのファンの一流芸能人のゲストとコメンテーターが入り交じり、互いに真顔で「こんな話を聞きました……」と都市伝説や陰謀論を語り合い、「えー! 怖い!」とか怯えたりして盛り上がる。
そして最後に「真実か否か、判断するのはアナタです」と語りかけてくる。世界各国の国家権力の陰謀から、誰もが身近に感じる人間の話まで、(まさかね)とは思いながらも、適当な作り話のようで、絶対あり得ないとは言い切れない話は意外とスリルがあった。
また、誰かと「こんな話があるの、知ってる?」と話して一緒に盛り上がりたくなる気持ちも、分からなくもなかった。
