「スマートディスプレイ」という名前を聞いたことはあるでしょうか。去年ごろから関連製品が多数登場している、ユーザの問いかけに音声で答えるAI搭載のスピーカー「スマートスピーカー」に、液晶ディスプレイを合体させたもの、と考えるとわかりやすいかもしれません。

とうとう日本に上陸した「Echo Spot」

 この「スマートディスプレイ」、海外ではすでにいくつかの製品が登場し、既存のスマートスピーカーの役割を置き換えようとしつつあります。日本でも、7月下旬にAmazonから発売された、円形ディスプレイ搭載のスマートスピーカー「Echo Spot」(エコースポット)は、実質的にスマートディスプレイに相当するモデルです。

 スマートディスプレイがいま海外でウケている理由、そして今後日本国内でも期待できる理由を、3つのポイントに絞って紹介しましょう。

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Amazonのディスプレイ搭載スマートスピーカー「Echo Spot」。音声による操作が行えるほか、画面の切り替えなどはタッチ操作でも行えます

利点1:“耳だけ”でなく、“目で”情報を確認できる

 当たり前と言ってしまえばそれまでですが、情報が音声だけでなく画面上で、目で見られることは、スマートディスプレイの最大の特徴です。

スマートスピーカー(左、Amazon Echo)との比較。スピーカー性能はAmazon Echoが上ですが、調べ物を行った際の把握しやすさは、画面付きの本製品が圧倒的に上です

 スマートスピーカーは、回答内容がシンプルなもの、具体的には日時や気温の確認、また外国の首都を尋ねるといった簡単な質問をするには便利ですが、多くの結果を一括で返すもの、例えばニュースの読み上げやグルメ情報の検索結果などは、読み上げ完了までじっと耳を傾けなくてはならず、音声だけではやや無理があると感じることもしばしばです。

 また私達の身の回りの情報の中には、声に出して読んだことがなく、読み方を把握していない漢字や英単語も少なくありません。列車の運行情報を調べていると出てくる駅名や地名がその典型例で、これらが当たり前のように音声で読み上げられても、ちんぷんかんぷんというわけです。

列車の運行情報は、音声で読み上げられるよりも画面に表示されたほうが、知らない駅名などが含まれていても、混乱することなく直感的に把握できます

目で見ると「なるほど、コレか」と分かる

 その点、画面があれば、文字情報をざっと目で追って概要を把握するという、スマホやPCと同じ使い方ができます。読み方を把握していない漢字や英単語でも、目で見れば「なるほど、コレのことか」と理解できることもよくあります。

「Echo Spot」の液晶画面(2.5インチ)は、スマートフォンに比べるとずっと小型ですが、画面がなく音声だけで情報を伝えるスマートスピーカーに比べ、わかりやすさは段違いです。海外ではタブレットと同等の、7インチ以上の画面を搭載したモデルも続々と登場しつつあり、これらが日本を席巻する日も近そうです。