投資家が注目してきたニデックの“上場廃止リスク”

 発表直後、ニデックの株価は一時大きく上昇した。市場関係者が分析する。

「買いの主体は個人投資家でした。不適切会計の“原因”が1つ取り除かれ外国人投資家が戻ってくるのではという“期待”先行です。ガバナンスの不透明感を嫌う外国人が本当に戻ってきたわけではなく、割り引いて見るべきです」

 当初から投資家が注目してきたのは、同社の“上場廃止リスク”だ。これについて2つのポイントがある。証券アナリストが語る。

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「まず注目は、調査の結果、どれだけ損失が積み上がるか。11月発表の中間決算で関連の損失をすでに800億円超計上したが、仮にこの倍まで損失が膨らんでも、純資産は前期末で1兆7000億円。大きく財務基盤が揺らぐとは考えにくい」

取締役会議長を引き継ぐ岸田光哉社長

 特別注意銘柄に指定されたのは10月28日だ。東証は原則、1年後の審査までに内部管理体制等の適切な整備・運用を求めている。運用が適切だと認められない場合、指定が継続され、さらにその年度末から3カ月後にも改善がなければ、上場廃止となる。この点は回避できるか。

「内部体制を象徴するのがまさに“永守イズム”。当初、永守氏は第三者委の調査結果に反発するのではと見られていたが、今回の“退場”を見ると、指定解除を最優先に考えているようだ。長年に渡る債務のトバシで逮捕者まで出したオリンパスですら上場廃止を免れたことを考えると、東証がニデックを上場廃止にするとは考えにくい」(同前)

 改めて永守氏の説明責任について同社に問うと、次のように回答を寄せた。

「永守の見解は、コメントを公表させていただいております。会社としては、調査の結果が出た段階で、丁寧に対外説明させていただきます」(同社広報担当)

 信頼回復の道のりは長い。

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