鴻海精密工業のEV事業で最高戦略責任者を務める、元日産・ニデックの関潤氏が語った“日本市場攻略車”の実力とは――。
◆◆◆
元日産・ニデックの関氏が語る“日本市場攻略車”
会場で最も目立つ形で展示されていたのが、MPV(多目的車)タイプの小型EV「モデルA」だった。鴻海はこれを“日本市場攻略車”として位置付けている。タクシー版、物流版、一般車版の3タイプが展示されていた。
「これは日本人が造ったクルマだ」と劉揚偉CEOは言う。
実際、「モデルA」の主な説明員は、ほとんどが日本人であり、日産出身者が多かった。マツダの北米市場専用モデルのSUV「CX-50」の開発を担った技術者も鴻海に転職してきたという。これは鴻海のEV事業の最高戦略責任者を務めているのが関潤氏であることの影響が大きいのだろう。
関氏は日産で副COO(最高執行責任者)まで務め、2020年に日本電産(現ニデック)に移って翌年にCEOとなった。そして2023年から現職にある。主な役割は、鴻海グループ内にある複数のEV関連事業部に横串を刺し、全体最適を図ることだ。さらに、2024年からは他社との提携戦略を担うミッションも加わった。
「モデルA」について日本人説明員が語る。

