KUROFUNE社が手を染めた“悪徳商法”

 冒頭のX氏が勤務するのがKUROFUNE社だ。同社は25年11月に特定商取引法違反があったとして消費者庁から9カ月の業務停止命令を受けている。

「法令違反とされたのは『マッサージチェアはありませんか』などと消費者に買取のアポを取り付け、いざ訪問すると『アクセサリーとかも買ってます』と打診、断られても『絶対整理したほうが良い』と勧誘して、貴金属などを半ば強引に買い取る手法。うちの会社のメインビジネスは“押し買い”です」(X氏)

 悪徳商法に手を染めるKUROFUNE社。更に社内では、A氏によるパワハラ的言動が横行していた。

ADVERTISEMENT

A氏から社員への“恫喝メッセージ”の数々

 社内コミュニケーションツールを確認すると、A氏は8月、訪問買取のアポを取るコールセンターの社員らをこう恫喝している。

〈お前ら仕事してんの? マジでアポ振れって 舐めてんのか仕事〉

A氏が社内で発したメッセージの画面

 社員たちは一斉に平謝りで反応する。

〈申し訳ございません。本数意識ししっかりアポ振ります〉

 さらに同じ月にA氏は、ある地方の営業所も叱責。

〈やる気ないなら出ないでいいから 迷惑〉

 社員はこう返す。

〈社長 申し訳ございません。やる気を結果で見せれる様日々努めます!〉

 X氏は事故の要因についてこう語った。

「Bさんも含めていつもA社長の顔色ばかり窺うグループの社風です。利益追求のために安全面に気が回らず、事故を招いてしまったように思えてなりません」

 A氏側に文面で質問したが返答はなかった。

 警視庁は業務上過失致死の疑いで捜査を続けている。だが実態は、限りなく“殺人”に近い惨事だった。

次のページ 写真ページはこちら