自宅や別荘という本来、家族の生活の場所で関係が重ねられた点について、「原告の家庭生活そのものを冒涜する」と悪質性を強調。
さらに自身の経営する企業が上場直後という多忙期に裏で不貞関係が続いていた点について、「原告の家庭的・社会的・経済的成功の全てにわたって、根底から人生を欺く形で継続された極めて悪質なもの」と裏切りの深さを厳しく指摘した。そして、夫婦の結婚期間の半分以上の期間、不倫関係が続いたことなども強調した。
また、現在も夫婦関係は継続している点については、妻の裏切りと向き合いながら、結婚して子どももいる娘の家庭への影響を考えると離婚に踏み切れない葛藤があると述べ、離婚していないことが苦痛を軽減するどころか増幅させていると訴えた。
さらに、被告の隆が不倫発覚後の2025年1月に原告の自宅へ赴き、妻宛てに「お土産です。元気を出してください」などと記した付箋付きのTシャツを差し入れた行為は、関係継続を企図し、結婚生活の平穏を侵害し続けるものだと非難した。
これらを踏まえ、「精神的苦痛」への慰謝料として1億円と弁護士費用1000万円の合わせて1億1000万円を請求した。
被告「不貞関係終了後は友人」と主張
一方、被告の隆は、妻の病気により肉体関係を結ばなくなった2013年をもって不貞関係は終了し、その後は単なる友人としての付き合いに過ぎないと主張した。
夫婦が離婚していない事実は、修復意思や関係改善の可能性が残ることを示すもので、婚姻が解消された場合と同等以上の損害が生じているとはいえないと反論。
また、Tシャツの差し入れについては、特殊詐欺被害に遭った妻が多額の金銭を騙し取られ、詐欺グループに自宅を把握される事態を相談してきたため、励ます意図で送ったものであり、関係の再構築や継続を狙ったものではないと主張した。
さらに、原告の主張は主観的感情に偏り、高額慰謝料の根拠にはならないとした。