離婚は幸せになるための選択肢

金原 離婚できなかったときに慰めになっていたのが、ニコール・キッドマンが離婚問題が片付いて弁護士事務所から出てきたところとされているネットミームの写真で。

千早 え、見たい。

金原 解放感にあふれていて、すごくいいんですよ。この写真なんですけど……(スマホで画像を見せる)。

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千早 すごい(笑)。喜びが爆発してますね。

金原 悩んでいた時に「早くこれになってね」ってこの画像を見せてくれた友達がいて、ずっと心の支えになってました。「私もいつかはこうなれる」って信じて頑張ってきたところがあって。だから私、ようやく離婚が成立したときは、「あれになれたんだ!」ってワックワクで日比谷公園を歩きました(笑)。もう足が宙に浮いてるみたいで、本当に世界が輝き始めた瞬間でした。

千早 私も、離婚届を出しに行った日に面白いことがあったんですよ。最後に離婚届は二人で出しに行ったんですけど、役所の窓口に立った瞬間に私が「渡辺淳一文学賞」を受賞したことがネットニュースに流れたんです。それを見た友人たちから「おめでとう」ってめっちゃLINEが来て(笑)。離婚届をちょうど出してるときに、「おめでとう」「おめでとう」っていう通知でスマホ画面がいっぱいになって二人で笑ってしまいました。

 

金原 すごいエピソードですね! 最高の偶然の一致。でも離婚って本来めちゃくちゃポジティブなものですよね。みんな離婚して幸せになってるなって、周りを見ても思うんです。

千早 そうそう。「離婚したんだ」って言うと、「大変だったね」とか「大丈夫?」とか心配されることが多いんですけど、私としては「今、どんな気持ち?」とか「幸せ?」とか、そういうふうに聞いてほしいんですよね。「めっちゃ幸せ!」と私は言いたいので。

金原 うんうん。私も離婚してからずっと幸せです。

千早 お互いに幸せになるための選択肢として離婚があると私は思うし、実際自分はそうでした。悩んでいる人に、離婚がひとつのポジティブな選択肢になればいいなと思っています。

【プロフィール】

金原ひとみ(かねはら・ひとみ) 

1983年東京都生まれ。2003年に『蛇にピアス』でデビュー。04年に同作で芥川賞を、21年『アンソーシャル ディスタンス』で谷崎潤一郎賞を、25年『YABUNONAKA―ヤブノナカ―』で毎日出版文化賞(文学・芸術部門)を受賞。

 

千早茜(ちはや・あかね)

1979年北海道生まれ。2008年に、小説すばる新人賞を受賞した『魚神』(「魚」から改題)でデビュー。09年、同作にて泉鏡花文学賞、13年『あとかた』で島清恋愛文学賞、21年『透明な夜の香り』で渡辺淳一文学賞、23年『しろがねの葉』で直木賞受賞。他に『男ともだち』『正しい女たち』『神様の暇つぶし』『赤い月の香り』『マリエ』『雷と走る』など著書多数。

最初から記事を読む 「離婚ゼクシィ」があればいいのに! 手探りだらけの離婚で大変だったこと――小説家・金原ひとみ×千早茜「私たちの離婚と再婚」