罪を免れた大林と清水の幹部
リニア談合事件のなかでも、とりわけ注目されたのが、大成と鹿島の南アルプストンネル工事だった。
〈南アルプストンネルはトンネル延長が約25km、地表からトンネルまでの深さ(土被り)が最大で約1400mであり、難工事となります〉
JR東海のウェブサイトにそう記されているリニア中央新幹線の最難関工事である。
周知のように南アルプスのトンネル工事は、前静岡県知事の反対により長らく静岡工区を着工できなかったが、2024年に鈴木康友が新たな県知事に就任すると、それまでの方針を転換した。おかげでようやく工事が進むと見られ、この先、大成と鹿島が難工事に挑む。
半面、談合事件は今もなお決着を見ていない。家宅捜索の翌18年3月には、公取委からの刑事告発を受けた検察が、大成の土木担当常務の大川孝や鹿島営業担当部長の大沢一郎、さらに法人としてのスーパーゼネコン4社を独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で起訴した。その一方で特捜部は、捜査対象だった大林組の元副社長や清水建設の元専務を不起訴(起訴猶予)にする。彼らはリーニエンシー(課徴金減免)制度に基づいて、罪を免れた。
リーニエンシー制度は事実上の司法取引と呼ばれ、新たに捜査当局が使った手法だ。捜査に恭順の意を表して罪を認めた大林組と清水建設の幹部たちの無罪放免が物議を呼んだが、残る大成建設や鹿島建設の刑事裁判は続いた。21年3月の東京地裁による一審判決で会社側にそれぞれ2億5000万円の罰金が言い渡され、元幹部の2人には懲役1年6カ月、執行猶予3年の有罪判決が下る。続く23年3月の東京高裁による二審判決でも一審判決は覆らず、目下、上告審の判断を待つばかりとなっている。
※本記事の全文(約11000字)は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」に掲載されています(森功「リニア談合事件で暗躍した官邸の守護神」)。全文では、以下の内容をお読みいただけます。
・「いち早く白旗を揚げると損」
・告発者は毎日出社している
・リニア捜査は「特捜部の暴走」
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