――フライト中、印象に残っている出来事はありますか。

Miho 一度、お客様に怒鳴られたことがあります。離陸直前でシートベルト着用サインが出ているのに立っている方がいて、「お座りください」と声をかけました。一度で伝わるよう、少し強めに言ったんです。

 そうしたら、「なんでそんな言い方すんねん」と怒られて。その後、私が肩を触ったと、会社にクレームを入れられたりして……。その時は先輩が「放っておいていいよ」と助けてくれました。もちろん、そんな経験はその一度だけで、良いお客様もたくさんいらっしゃいましたが。

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韓国に暮らす“彫り師”の彼との長距離恋愛

――そして2024年、CAを退職されました。わずか2年での決断ですが、決めた時はどんな気持ちでしたか。

Miho 夫の存在が大きかったんです。彼とは韓国留学時代の同級生で、私がCAを辞める半年前から、日本と韓国で遠距離恋愛をしていました。

 高校生の頃、お互いに一目惚れして付き合い、1か月で別れてしまって。1年後に友人たちの卒業祝いで韓国を訪れた時に再会して、そこから連絡を取り合うようになって。

 何度か気持ちを伝えたのですが、彼はタトゥーに集中したい時期で、恋愛をする余裕がなかったようで、振られてしまって。それでも諦めきれず、連絡する口実として、彼の誕生日には毎年メッセージを送っていました。

 でも、「もう諦めた!」とやっと振り切った頃、彼の仕事が少し落ち着いたタイミングで向こうから連絡が来て、交際が始まりました。

――遠距離恋愛中は、どのくらいの頻度で会っていたのですか。

Miho 1か月に1回くらいですね。私が行くか、彼が来てくれるか。仕事の休みと有給を合わせて、2泊3日で韓国に行っていました。

Mihoさんとパートナー

「仕事を辞めてでもついていく覚悟」だった

――彼もその頃から彫り師として活動していたのですか。

Miho はい。当時から「アメリカで働きたい」という目標があって、ビザの準備を進めていました。

――彼についていくために、CAを辞める決断をされた。

Miho 遠距離がつらくて、「どうせ結婚するなら、早く一緒に住もう」という話になったんです。彼のことが本当に好きだったので、仕事を辞めてでもついていく覚悟がありました。

――彼も結婚には前向きだったのですか。

Miho すごく積極的というわけではなかったですが、お互い結婚する未来が見えていたので、自然と海外で同棲する話になりました。

――ご両親の反応はいかがでしたか。

Miho CAを辞めること自体は反対されませんでしたが、辞めてすぐにカナダへ同棲しに行くと言ったので、「好きな気持ちは分かるけど、もう少し考えたら?」とは言われました。将来を心配してくれていたんだと思います。

――同僚の方たちの反応は?

Miho 驚かれましたが、「お幸せにね」と言ってもらえることが多かったです。送別会も開いてくれて、温かく送り出してくれました。

次の記事に続く 「とにかく手が震えて、怖さもありました」CAをやめて1年後に彫り師に…タトゥーに偏見があった女性が語る、安定した職を手放したワケ

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