――パートナーが有名だからこその、プレッシャーはありませんでしたか。
Miho 夫が有名だから満足、という気持ちはありませんでした。むしろ、私も世界で活躍したいと思いました。「甘く見るな」という声もあると思いますが、きちんと練習すれば技術が上がる世界だと信じています。
夫の名前の後ろにいるだけの存在にはなりたくなくて。自分の名前で勝負したいと思っています。
――具体的には、どんな練習を?
Miho アカデミーのような学校には通わず、家で夫に教えてもらいました。簡単そうに見えても、実際にやると直線一本描くのも難しくて。集中力が切れて、逃げ出したくなる日もありました。
でも、同じ業界にいることで、夫は師匠であり、家族であり、同志でもある。とても良い関係になれたと思います。
「私も絶対に有名になって、夫を超えてやる」
――初めて人の肌に彫った時のことは覚えていますか。
Miho 日本に一時帰国した時、友達に無料で彫らせてもらいました。天使の羽のようなデザインです。とにかく手が震えて、すごく緊張しました。一発勝負なので、怖さもありました。
――彫り師になって、やりがいを感じる瞬間は?
Miho 彫ったあとに喜んでもらえると、本当にやりがいを感じます。夫婦で彫り師なので、休みを調整しやすく、一緒にデートや旅行に行けるのも魅力です。
――パートナーは、アメリカでもかなり有名な彫り師だそうですね。
Miho 先月、ニューヨークで開かれたタトゥーの大会で、ある部門で1位を取りました。歌手のクリス・ブラウンに招待されて、NBA選手やUFC選手にもタトゥーを彫ったこともあります。
――彼から刺激を受けることも多い?
Miho すごくあります。先日、夫のタトゥーを気に入ったお客さんが、1000ドル、日本円で約16万円のチップをくださったんです。断ったのですが、「ぜひ受け取ってほしい」と言われて。その時、「私も絶対に有名になって、夫を超えてやる」と思いました。
――日本とアメリカでは、タトゥー文化の違いも大きいですか。
Miho 全然違います。アメリカでは、彫り師は美容師のような感覚で、社会的な地位も確立されています。料金も日本より高く、お客さんも、クオリティに見合った金額を払う意識があります。

