――そこで柏木(三樹)トレーナーと出会うわけですね。

安井 ジムへ行った初日に「やるなら大会に出て、優勝を目指そう」と言われて、その日から真剣にトレーニングを始めることになりました。

――大会を目指すトレーニングはやはりハードなんですか?

ADVERTISEMENT

安井 実は意外とそうでもなくて、最初は1時間半のパーソナルトレーニングが週2回あるだけでした。しかも私は姿勢がとても悪かったので、最初の1時間は姿勢を治すマッサージやストレッチで、実際のトレーニングは30分くらい。それもバーベルなどは使わず腕立て伏せやスクワットなどの軽いメニューばかりでした。

トレーニング初期の安井さん。ウエストのラインなど、今とは全く違うことがわかる

――それでも体は変わっていったのですか?

安井 3カ月くらいしたら目に見えて変わってきましたね。生まれてから一度も自分の腹筋を見たことがなかったんですけど、「自分もここに筋肉があったんだ」と初めて気づいたり。

 太っていた頃はお尻が四角く垂れているのがコンプレックスだったんですが、丸くなって、グッと上がりました。お尻が上がると脚も長くなるんです。自分のコンプレックスが裏返って、長所になっていくのが感動的でしたね。

会社で「重い病気らしい」と噂になり、家族も「ふくよかでよかったのに」

――周囲からも褒められましたか?

安井 それが、最初は周りからすごく心配されていたんです。それまで食べ放題に行っていたのが急にささみとブロッコリーと玄米しか食べなくなり、どんどん痩せていく私を見て家族からは「ふくよかでよかったのに」「ジムじゃなくて料理教室に行きなさい」と懇願されました。会社でも「重い病気らしい」と噂になったり(笑)。

 でも私は、コンプレックスだった体がどんどん変わることに夢中になっていたので気にしてませんでしたね。

――そして10カ月で日本一に。

安井 痩せたら大会に出るのをやめようくらいに思っていたので、優勝とかは考えてもなかったんですよね。でもトレーニングと一緒に始めたブログを読んでくれる人もじわじわ増えていて、大会の控え室で「安井さんだ」と声をかけられたり。「なんでみんな私のこと知ってるんだろう」と不思議な気分でした。

安井さんのパーフェクトすぎる筋肉とボディライン 本人提供

――当時はトレーニングを発信する女性がまだ少なかったですよね。

安井 そうですね。特に大きくバズったわけではないのですが、一般的に見てもふくよかだった私が、ささみとブロッコリーをひたすら食べてトレーニングをして、日に日に体型が変わっていくことに興味を持ってくれたのかもしれません。

――予想外の日本一だったということですが、何か変化はありましたか?

安井 やっぱり人生が一気に変わった感じはしましたね。それまで自分の体型にずっとコンプレックスを抱えていて、ダイエットもすべて失敗してきました。それが初めて1つのことをやり遂げられたことで、それまで“何をやってもダメな人間だ”と思っていたのに、自分でもやればできることに気がつきました。