安井 商品ごとの目標は問われませんし、お客様のニーズを理解して自分がよいと思った最適なご提案ができるようになったのが、自分に合っていると思いました。
ただ必ずしも誰でも知っている金融機関ではなかったので、新規顧客開拓では1000件アタックしてようやく1件……という世界です。
ただトレーニングを始めて、昨日できなかったことが今日はできた、100キロのバーベルも上がったという経験をしたことで、仕事でも「とりあえずやってみよう」という積極的な姿勢になったんです。
――それなのに辞めてしまったのは何か理由があったんですか?
安井 私は65歳まで働くつもりで、名古屋支部が閉鎖された時は単身赴任で東京支店にまで移ったんですけど、銀行の日本撤退が決まってしまったんですよ。ある日急に従業員が集められて「年内で閉業です」と。つい前日まで新しいプロジェクトの相談をしてたのに、次の日からみんな一斉に転職活動をはじめていました。
――安井さんは転職は考えなかったんですか?
安井 名古屋に戻るか、転職先を探すか……と悩んで夫に相談したら「安井友梨の転職先は安井友梨しかないぞ」と言われたんです。「今までフルタイムで働きながらトレーニングしてきたのはすごいけど、仕事を辞めることでできるようになることもあるんじゃないか」と。それで東京に残って、フルタイムの仕事と両立した状態ではできなかったことをやってみると決めました。
「最初は鶏肉のササミばっかり食べていたんですけど、食べ過ぎて恐怖症というか…」
――金銭面での不安はありませんでしたか?
安井 正直ありました。銀行が寮として借りていたマンションに今も住んでいるんですけど、自分で家賃を払うようになったら高くて驚きました。結婚はしていますけどお財布は別なので、銀行の退職金がなかったらすぐ名古屋に帰っていたかもしれません。
――フィットネスは食べ物もお金がかかりそうですよね。
安井 エンゲル係数すごいですよ。最初は鶏肉のササミばっかり食べていたんですけど、食べ過ぎて恐怖症というか、見るのも無理という感じになってしまったんですよ。それで馬肉を食べるようにしてるんですけど、値段が鶏肉の数倍なので大変です……。
――そしてもちろんトレーニングにも。
安井 パーソナルトレーニングなので結構かかりますね。基本的には赤字で、いまは銀行の退職金を切り崩して生活している状態です。そんなわがままをさせてくれている夫には本当に感謝しています。

