そして占領地の政府、学校、メディアなどに、取材趣旨を明確に記した正式な取材依頼をメールで送った。
すると次々と返信が来るではないか。60件ほどの送信に対し、1週間あまりでおよそ半数の返信があった。聞けば、ロシアには、行政機関は問い合わせのメールを受け取ってから2週間以内に返信をしなければならないという法律があるらしくその影響もあるのかもしれないが。
そのうちの1つ、占領地にできたロシアの放送局とはトントン拍子に話が進み、オンライン取材を実施することになった。
「西側メディアで私たちに取材を申し込んできたのは、あなた方が初めてだ」
オンライン取材の冒頭、占領地の放送局の局長は「西側メディアで私たちに取材を申し込んできたのは、あなた方が初めてだ」と述べた。なぜ取材を受けることを承諾したのかと問うと、「あなたたちに真実を伝えるためだ」と言う。
彼が実際に何を述べたのかは番組本編をぜひ見てもらいたい。
局長とはインタビュー後さらに話が発展し、「占領地の中で撮影した映像を提供してもよい」という。「ロシアには言論の自由があり、語ってはいけないことなどない。見せられないものはない」というのだ。
占領地の実態を知りたいと考えていた私たちにとっては、渡りに船のような話だ。ただ、彼らの見せたいものだけを見せられたらプロパガンダになってしまう懸念もある。厳しい要求を投げることにした。
(1)占領地のウクライナの子どもたちを「ロシア人」として再教育していると聞いたが、それは事実なのか?
(2)占領地のウクライナの子どもたちを「ロシア兵」に育てることを目的とした青年愛国団体は取材できるのか?
(3)占領地から逃げたウクライナ人たちの不動産を没収し、ロシア人に分配する占領政府の専門部署の詳細が知りたい。
これらの現場の取材をあなたの放送局のスタッフが実施することは可能か? さらに関係者のオンラインインタビューも実施し、こちらから直接質問をぶつけたいとリクエストした。
すると、意外な答えが返ってきた。
