「私たちが学校に求めているのは、当時の対応が間違っていたこと、そして息子を3年間も危険に晒し続けたことを、心から謝罪してほしいということです。息子は学校の先生がいつか助けてくれると信じていた。その信頼を、学校は何度も踏みにじったんです」(父親)

 母親も、3月に迫る卒業式への対応を学校に求めている。

「3年間の沈黙を、学校はどう責任取るつもりでしょうか。警察はすでに『事件』として扱い、Aのことも『犯人』と呼んでいます。そんな生徒に、このまま何事もなかったかのように卒業証書を渡すのですか? 同級生をカッターナイフで切りつけた生徒でも、3年間在籍していれば卒業できる。そんな理不尽があっていいのでしょうか。保護者説明会を開き、関係者全員が息子に頭を下げてほしい。息子の心の傷は、膝の傷よりもずっと深いんです」

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「聞き取りで事実と違う嘘を言っていることが、一番許せません」

 ダイキさんは医師から適応障害、PTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断され、現在も後遺症に苦しんでいる。

「この3年間、夜は怖くてなかなか寝付けず、頭の中で自分が刺される場面が何度も再生されたり、恐怖で飛び起きたりすることが続いています。脳が疲弊しているせいか、文章を読んでも単語は分かっても内容が理解できない状態になることがあり、大学受験の勉強にも大きな支障が出ました」

現在のダイキさん

 加害者であるAに対しては、怒りを通り越した感情を抱いている。

「聞き取りで事実と違う嘘を言っていることが、一番許せません。僕が先にお腹を殴ったとか、『かかってこいよ』と煽ったからカッターを見せただけだとか、ありもしない嘘をついて自分を正当化している。反省の姿勢が一切見られない彼に対して、慈悲を持つことはもう二度とありません」

 さいたま地検は26年1月、傷害の疑いでAをさいたま家裁に送致した。3年の空白を経て、ようやく司法の手による裁きが始まろうとしている。

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