「まだ交際している認識は?」と問われた被告人は……

 被害者側の弁護士から「あなたは現在、Aさんと交際している認識はありますか?」と問われた際にも「はい」と答えている。その理由については「お互い話をしていないので、関係性がわからないので」と話した。

 多数の罪に問われつつ、なおもAとの接点を希望しているように見える被告人の姿勢に、強い口調の質問が続き、最後に裁判長からも“ダメ押し”があった。

裁判長「拘置所に長期間いる中で、性犯罪の被害者の気持ちを、本で勉強したりなどしましたか?」

被告人「本はなかったので、自分の中で考えるばかりです」

裁判長「もっと勉強した方がいいですよ。被害者にどれだけ目に見えない傷を与えたか、将来どう悪い影響となるか調べたら、恐くなると思います。Aさんとあなたのためにも、接触はしない方がいいと思います」

裁判長がたしなめる場面もあった ©Paylessimages/イメージマート

女児の父親は怒りを抑えきれない様子で……

 Aの父親による意見陳述では、事件発覚後に家庭全体の雰囲気が暗くなったこと、まだ小さいAの弟もそれを感じるほどだったことなどが明かされた。また、被告人から謝罪もなく、反省の色が見えずに「あくまでAのためにやったことだ」と聞こえる数々の主張に「思い上がり」、「反省は微塵もしていない」と強い怒りを露わにし、「最大の厳罰でもって処断していただくことを強く望む」と強い言葉で締めた。

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 検察官は、被告人が「自殺防止」と主張するものの、周囲に相談することも十分可能であった中で行われた、Aの人格や性的羞恥心を無視し「性欲のはけ口」としか捉えていない犯行と被告人の態様を強く非難。反省が不十分で、母親の実効的な監督が見込めず、再犯の可能性は極めて大きいとして、懲役5年を求刑した。

 弁護人は、誘拐に関して「Aさんが自殺をほのめかしたことにより、落ち着かせる思いで起こしたもの」で特別悪質なものでなく、被告人が深く反省している点、まだ20代と若年である点などから執行猶予が相当であると弁論した。

 被告人は最終陳述において「今回のことで、たくさんの人に迷惑かけたなって、さっきの話を聞いて伝わってきて、申し訳ない気でいっぱいです」と述べた。