『ウチくる!?』や『金スマ』などの人気番組でレギュラーを務める傍ら、庵野秀明や田原総一朗といった大物知識人とも対等に渡り合い、その「本音を話す」スタイルで確固たる地位を築いた飯島愛。
しかし、30歳を迎えた彼女の心は、すでに限界を迎えていたのかもしれない。密かに綴られていた引退への予兆、身体の異変とは。
フリーライターの安田理央氏が飯島愛氏が日本社会にどのように受容されたかを振り返った一冊『飯島愛のいた時代』(太田出版)の一部を抜粋し、紹介する。
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“物怖じせずに本音を話す人”
『日経エンタテインメント!』の2002年5月号から「お友だちになりたい!」という連載が始まっている。飯島愛が各界で活躍するクリエイターと対談するという企画だ。2006年には『お友だちになりたい! 43人のクリエイターとの対談集』のタイトルで日経BPより書籍として刊行されている。
第1回は、飯島愛が大ファンだという『新世紀エヴァンゲリオン』の監督・庵野秀明。その後、村上龍、古舘伊知郎、俵万智、田原総一朗、島田雅彦、渡辺淳一、赤川次郎、阿川佐和子、三谷幸喜、宮本亜門、小松左京など、錚々たるメンツが並ぶ。庵野秀明の他にも富野由悠季、押井守、鈴木敏夫などのアニメ関係者が多いのは飯島愛がアニメ好きだからという理由らしい。モンキー・パンチ、北条司、楳図かずお、一条ゆかりなど漫画家も多い。
ちなみにこの対談がきっかけで押井守の「押しかけ弟子」的な関係となり、アニメ化を念頭においた企画を共同で進め、その作品のために彼女が書いた文章は死後に押井の監修のもとで『Ball Boy & Bad Girl』(幻冬舎 2010年)という書籍にまとめられている。
「お友だちになりたい!」での対談は、こんな調子で進められている。
飯島 大丈夫ですよ。まだ現役だし、ガンダムを超えるものをたくさんつくればいいんだから。私もアニメのアイデアがあるんですよ。すごく当たるはずなの。
富野 みんなそう思ってやるんだけどね。当てるのは大変なのよね。僕が今考えてる新企画のテーマは純愛なの。それで『ベルサイユのばら』と『キャンディ・キャンディ』を昨年(01年)初めて全部読んだけど、本当にすごいと思った。
飯島 その新企画は、女の子が原作を書かないとダメだと思いますよ。私が書きましょうか。
富野 ストーリーラインができあがったらチェックしてもらおうかな。で、原作は連名で願いたいな。
飯島 いいですよ(笑)。キャラクター設定も2人ぐらいさせてもらいますよ。
