移ろいゆく「ギャル枠」

 現在の芸能界におけるそうした役割を「おネエタレント」と共に引き受けているのが「ギャルタレント」である。

 2023年3月18日に放映されたテレビ番組『まさかの一丁目一番地』(TBS系)の調査では、“元祖ギャルタレント”を、ファッションモデルとして知られる梨花だと結論づけた。

 梨花は1993年に歌手としてデビューし、その後『JJ』『CanCan』などのファッション誌でモデルとして活躍。同時にバラエティ番組などにも多数出演した。カリスマモデルでありながら自らの恋愛事情などを赤裸々に「ぶっちゃける」キャラクターも人気を集めた。

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 しかし、やはり時期的にもスタンス的にも、元祖ギャルタレントは飯島愛とするのが正しいだろう。

 00年代に入ると木下優樹菜や若槻千夏、鈴木奈々といったギャルタレントがバラエティ番組で人気を集め、現在は藤田ニコル、池田美優(みちょぱ)、生見愛瑠(めるる)、古川優奈(ゆうちゃみ)、木村有希(ゆきぽよ)といったファッションモデル出身者がこうしたスタンスで活躍している。

 トーク番組や情報番組のコメンテーターとして「若い世代」の「物怖じせずに本音を話す」キャラクターは、視点を多様化させるうえで必要とされ、そこでギャルタレントは重宝される。 

 芸能界におけるそうしたジャンルを切り拓いたのが飯島愛なのだ。

30代を迎え「ギャル」とズレを感じ始めたのか

『プラトニック・セックス』の大ヒット以降、飯島愛は新しい形の文化人という側面を見せながらも、『ウチくる!?』『サンデージャポン』『中居正広の金曜日のスマたちへ』『ロンドンハーツ』などの多くの人気番組にレギュラー出演する芸能人として、芸能界に確固たる地位を固めていく。

 しかし30代を迎え、「若い世代」「物怖じせずに本音を話す」という自分が求められているキャラクターにズレを感じ始めていたのかもしれない。

 なにしろ1995年の『ギルガメッシュないと』の「卒業」の際に、22歳にして自分を「もうオバサン」だと自称した彼女だ。現在よりも「若い女性」を指す年齢が低い時代の意識だった。

 続々と登場する新顔の「ギャルタレント」に居場所を奪われるような気持ちもあっただろう。