なぜ漁業就業者は減少するのか?
漁業就業者の減少にはさまざまな理由が考えられます。雇われて働く漁業従事者の場合、得られる所得が他の仕事に比較して少ない、長時間の野外労働は厳しく危険な作業が多い、コンビニもなくスマホの電波さえ届きにくい漁村の生活環境に耐えられない、などです。人手不足の現在、他の産業に就職するのは簡単ですから、やはり他の産業と比較した労働条件の劣位性が問題です。
自分で漁業を営む自営漁業者も減少しています。その理由としては漁業技術を習得することの難しさ、漁業を営む上での許可や権利を取得することの困難、燃油費など漁業資材の高騰、高価な漁船などに対する初期投資の大きさ、などが挙げられます。つまり、参入障壁の高さや漁業の採算性の低さがハードルになっているのです。
外国人労働力の導入、機械化による省人化
雇われの漁業従事者不足に対しては、いくつか策が講じられています。まず現在急速に進められているのが外国人労働力の導入です。水産庁によれば、2023年12月末時点で遠洋漁業には3689人の外国人乗組員が、沿岸漁業では漁業と養殖業を合わせて1892人の外国人技能実習生と2669人の特定技能1号在留外国人が就業しています。
合計すると8250人、漁業就業者の全体の7パーセントを占めます。陸上での水産加工業従事者においてはすでに全体の1割を超えました。
しかし、外国人労働力の導入についてはさまざまな問題が指摘されています。日本人の従事者と比較して劣悪な労働環境や低賃金などの待遇上の差別、伝統的な操業現場や漁村における文化的な衝突、行方不明になって不法在留者となる問題もしばしば起きています。
