外国人頼みの漁業

 北海道大学大学院水産科学研究院の佐々木貴文氏は2020年の論文で、このまま外国人労働力の導入が際限なく進めば、漁業に従事する日本人がいなくなることも予想され、産業の持続性確保に大きなリスクとなると指摘します。

 日本の海で、日本人が食べる食料を生産するのに、外国人の力に頼らなければならない状況になりつつあることには筆者も危うさを感じます。しかし、それが現実となる日が近づいています。

 そこでもう一つの策として、省人化・省力化機器の導入が図られてきました。水産庁が推進している「スマート水産業」もその一例です。大規模な漁業である沖合漁業や遠洋漁業では他に先んじて「スマート化」が進められており、かなり機械化されてきました。

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 また小規模零細な沿岸漁業でも様々な機械化が進められ、経営者によるワンマン操業が増えています。機械化が腕力や体力の要る船上労働の負担を軽減し、高齢漁業者の一人乗りでも操業を維持できるようになりました。

 それ自体はいいことに見えますが、機械化によるワンマン操業が増えた結果、若い世代を同乗させながら技能を継承していく機会が失われてしまいました。