さらに、高市氏がメイクレッスンを受けたと報じられたことも見逃せない。
それまで直線的だった眉がやわらかくなったりと直接的な外見の変化はもちろんのこと、「外部から指摘されたことを受け入れて変化できる」というそれまで彼女に欠けていた柔軟さもアピールしていた。
しかし今回、衆議院選に向けて選択したのは、高市氏の象徴だったロイヤルブルーではなく、ネイビーのスーツに白のインナーだった。
ネイビーは、鮮やかなロイヤルブルーほど強さを主張しないが、フォーマル度が高くなじみやすい色である。
「今回は攻めた色でリスクを取る必要はない」という余裕?
男性のビジネススーツでも多く使われており、色彩心理学的には信頼、威厳、誠実さを象徴する。いわば「統治者の色」と言ってもいい。
ここからわかるのは、現職の総理大臣として今回の衆議院選に臨むにあたって、高市氏は自身の主張の強さを前面に押し出すことよりも、安定感や信頼感を演出することを重視したということだ。
ここには「今回の選挙は攻めた色を使うリスクを取る必要すらなく、現職総理の存在感と自分の人気で押し切れる」という余裕さえ窺える。
面白いのはポスターにはネイビーを選択したうえで、1月26日の日本記者クラブにおける党首討論会にはロイヤルブルーで登場したことだ。
他党の党首との論戦の場では、ロイヤルブルーの鮮やかなパワーと威厳を前面に押し出して対峙姿勢を明確にし、ポスターではネイビーで安心感を醸成するという戦略の切り替えが見られる。
高市総理への支持率が高止まりし、自民党の優勢が報じられる今回の選挙だが、その1つの要因はリスクを徹底的に排除した総理自身の非言語戦略にあると言えるだろう。

