――ただ、残念ながら北京五輪の切符がかかった日本選手権では総合5位に沈みました。

宮原 日本選手権に向かうまで練習はいつも以上にきっちりやりました。万全の調子で臨んだはずなのに、フリーでジャンプを失敗。その瞬間「もう北京はないな」と思いました。同時にここまでやり切ったという満足感もあって、最後は清々しい気持ちでフィニッシュのポーズを取りました。

日本人で初めて抜擢されたアイスショー

――引退されて4年、今はどんな活動を?

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宮原 国内外のアイスショーやツアーへの参加や、振付の仕事もしています。現役時代、音楽などの構成全体を感性ではなく、ロジカルに理解してきた経験が振付にはすごく役立っていますね。振付は、色んな要素をどう組み立てていくかの応用問題ですから、必ずしも最適解とは言わないけど、それに近い表現は見出せます。

「フレンズ・オン・アイス2022」での宮原知子さん ©文藝春秋

――2024年からは日本スケート連盟の理事も務めていますね。

宮原  ジュニアの指導も少しずつやり始めたところです。引退後、一番嬉しかったのは『スターズオンアイス』カナダツアーのメインキャストに選ばれたことです。

――『スターズオンアイス』は、五輪や世界選手権王者などが集う北米で最も権威あるアイスショーです。カナダツアーのメインキャストに選ばれるのは、日本人では宮原さんが初めてです。

宮原 はい。日本での公演もありますけど、米国やカナダが本場なんです。引退前に、オール日本人キャスト版に出演したことがあるんですが、もう楽しくて。いつか、本場でやってみたいと夢を持っていたんですけど、まさか引退してすぐにオファーをいただけるとは思いませんでした。 

 春先に1か月間ぐらい、カナダの各都市を回って12公演ほど行います。最初はそれぞれの会場で氷の質が違うので戸惑うこともあったけど、今はだいぶ慣れてきて、ショーを楽しんでいます。

――メンバーの構成は?

宮原 十数名いて、毎年半分ぐらい変わりますね。カート・ブラウニングやエルビス・ストイコといったレジェンドたちも参加していますし、以前はパトリック・チャンもメンバーでした。カナダツアーでは毎回ワクワクするような体験をさせてもらっています。

 

撮影=細田忠/文藝春秋 

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