ある日、オタクが消えた――。

 そう語るのは、『「推し」という病』の表紙を務めたレースクイーン・髙橋七瀬さん(20)だ。

 彼女にはイベントや撮影会に万難を排して駆けつけるコアな“7人のオタク”がいる。しかしある日、そのうちの1人が突如として行方をくらませた。事件なのか、事故なのか。心配になり自分のオタクを探して東京と神奈川を走り回った髙橋さんを待っていたのは、衝撃の結末だった。

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髙橋七瀬さんと、イベント常連の7人のファンたち

◆◆◆

――髙橋さんには「7人の小人」ならぬ「7人のオタク」がいるんですよね。

髙橋 いつもイベントに来てくれるメンバーで、いちばん年上の人が68歳です。それから58歳が2人、57歳が3人、最年少が46歳ですね。

――ファンの年齢まで把握してるんですか!?

髙橋 結構なペースで8人で会ったりしているので、普通に覚えてますね。地下アイドルをやっていた時から、私のファンは年上の人しかいないんですよ。「可愛いと思うけど緊張しない」とか、よく言われます。一番濃い7人はいつも来てくれるし、結構な課金額も投げてくれるんですけど、みんなすごい仲良しなんですよ! 私の写真をプリントしたお揃いのTシャツを作ったり、撮影会で撮影した私の写真を現像して喫茶店でみんなで見せあったりしてるんですよ。私抜きで。

――仲いいですね。

髙橋 その中のひとり、50代のAさんと一緒にラジオにゲスト出演することになったんです。ファン代表、みたいな扱いで。でも当日の朝待ち合わせ場所に行ったらいなくて、通話してもLINEを送っても連絡が取れなかったんです。

――ドタキャンされた?

髙橋 でも、連絡もなしに来ないなんて無責任なことをする人だとは思えませんでした。ただ前日の夜にあったバーイベントで吐くほど飲んでるのを見ていたので、それが気になっていました。

「もしかしたら本当に死んじゃったんじゃないか」と7人で集合

――どこかで倒れているかも?

髙橋 そうです。もともと心臓に病気を抱えている人で、一人暮らしで家族もいないのは知ってたから、「酔って帰れなかったんじゃないか」、「もしかしたら本当に死んじゃったんじゃないか」って。それで落ち着かなくて、他の6人とみんなで集結したんです。

髙橋七瀬さん ©文藝春秋

――オタクに集合をかけた、と。

髙橋 それで、「車種だけわかる」とか「最寄り駅だけわかる」とかそれぞれがAさんについて知ってる断片的な情報を出し合いました。私は「Amazonのほしい物リスト」からプレゼントを贈ってもらったことがあったので、郵便番号だけはわかる。それで神奈川のある市だということが判明したんです。

――すごい。探偵みたいですね。

髙橋 それからみんなでスマホを開いてGoogleストリートビューを使って、その市付近でその車種を探しました。そうしたら1人が「これじゃない?」って見つけてくれて、古い車だったしカスタムしてたから「もうこれしかないだろう」って思って、みんなで家まで行ったんです。