――神奈川までですか?
髙橋 だってしょうがないじゃないですか。それで着いてみたら、Aさんの家は1階に大家さんが住んでいる古いアパートだったので、大家さんに頼みに行きました。「こういう理由で本人と連絡がつかないんです。お願いします、部屋を開けてください」って。ただ私とAさんは家族じゃないし、仕事仲間でもないんですよ。アイドルとオタクでしかない。でも一緒に写った写真を見せたり、イベントの時の写真を見せて、必死に説得しました。
――確かに大家さんも「あなたたちはAさんの何?」ってなりますよね。
髙橋 みんなで身分証明書も出して、それでどうにか大家さんが「私の権限で部屋を開けますから、一緒に立ち会ってください」と言ってくれました。でもドアを開ける前に気づいちゃったんですけど、換気扇が回りっぱなしだったんですよ。
「あと残すはユニットバスのお風呂場なんですけど、そうしたら……」
――えっ。それは……。
髙橋 換気扇がついてるってことはAさんは帰ってきてて、でも連絡がつかないのは倒れてるんじゃないか、と嫌な想像が浮かびました。一緒にいたファンの人は、「どうしよう仲良しだったのに」とか「俺、ほかに友達いないのに」とかその時点で泣き出しちゃって。
――うわぁ。
髙橋 こういう時、男のほうが弱いですね。だから私が「もういい、行くよ!」って言って、ドアを開けたんです。そうしたらとんでもないゴミ屋敷で、ドアを開けると同時にいろいろな物がドサーッと流れ出てきて、しかも虫もめっちゃいる。でも行くしかないから、「靴のまま入るからねー!」って部屋の奥に呼びかけながら入りました。でも部屋に本人は見当たらない。あと残すはユニットバスのお風呂場なんですけど、そうしたら……。
――はい。
髙橋 お風呂場が開かなかったんです。
