――怖いです。

髙橋 その時はさすがに私も「怖い怖い怖い!」って焦りました。でも力ずくで無理やり開けたらまた中から荷物がドサッと流れ出てきて、ここにもいない。後から考えると「どこで用を足しているんだろう」とは思いますけど、その時は「とりあえず部屋の中で孤独死してなかった」ことにほっとしました。

髙橋さんを年上のファンが囲む食事会も

――でもAさん探しは振り出しに戻ってしまった。

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髙橋 それで「どこかで倒れてるんじゃないか」という話になって近くの総合病院を巡ったんですけど、見つけられない。バーイベントの帰りに一緒だったファンが「新宿で別れた」と言っていたので、新宿に戻って、救命病棟とか急患が入る病院を巡ったんですけど、それでも見つからない。これはもう警察に聞くしかないと思って、新宿警察署に行きました。

――今度は警察へ。

髙橋 ただ警察でも「家族とか近い人じゃないと捜索願などは出せない」と言われました。でもそんなこと言ったって、Aさんがいなくなったのを知ってるのは私たちだけなんですよ。必死で「どこかで孤独死しているかもしれないんですよ!」「このまま見殺しにするんですか!」ってしつこく食い下がっていたら、さすがに警察も手に負えないと思ったのか、「ちょっと待っててくれ」と言われました。

――説得が通じた。

髙橋 しばらく待っていたら警察署の奥から、とぼとぼAさんが出てきたんです。顔を見た瞬間、「いたー!」って叫んでみんなで大泣きしました。

「50代にもなってこんな親身に探してくれる人なんていないから…」

――おお、見つかったんですね。

髙橋 理由を聞いたら、バーイベントで酔っ払ったあとに新宿駅で休んでたら別の酔っ払いに絡まれて、取っ組み合いになったそうなんです。そのときに相手に怪我をさせてしまい、そのまま留置場に入れられていた、ということでした。しかも私のイベントの帰り道だったので、私の顔面がデカデカと印刷されたTシャツを着たままだったんですよ。警察で写真を撮られる時も留置場にいる間もずっと。

――オタTの容疑者写真はレアですね……。

髙橋 私たちが1日中探し回ってアパートまで行った話をしたらAさんはなんか嬉しそうで、「ここまでしてくれる子はいないと思う。50代にもなってこんな親身に探してくれる人なんていないから、本当にうれしかった」って言ってました。「俺は今後、アイドルとしての七瀬に飽きたとしても一生応援していくしかないんだなと悟ったよ」って。

――推しに警察署で身元を引き受けてもらった、っていうのはAさんにとって忘れられない日になったでしょうね。

髙橋 この間ライブハウスを借りて歌った時に「私はどんなとこにいてもあなたを見つけるよ」っていう歌詞のタイミングでAさんを指さしたら咽び泣いてて、その日はチェキを100枚買ってくれました。示談金も払わなきゃいけないからお金大変なのに……(笑)。