JR御徒町駅の東側、雑居ビルが立ち並ぶ台東区東上野の一角。人通りも少なくなった1月29日夜9時半頃、近所の勤務先を出た男性は、バイクに跨って帰路に就いた。

「春日通り沿いにあるビルの真ん前に黒っぽい車が停まっていて、複数の人たちが車の中にスーツケースを積み込んでいました」

 第1の現金強奪事件が起きたのは、男性がそのビルの前を通り過ぎた直後のことだった。

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1つ目の事件現場。その後も立て続けに事件は起きた ©時事通信社

襲われた日本人と中国人の男女7人

 日本人と中国人の男女7人を襲ったのは、口元を隠した男3人組。1人が催涙スプレーを噴射すると、残る2人が3つのスーツケースを奪い、長野ナンバーの青いアルトで逃走した。

「アルトはすぐそばの横断歩道で通行人の50代男性に接触し、顔面に軽傷を負わせて一方通行を逆走。最初に轢き逃げの110番通報が複数あり、直前の強盗事件も発覚しました。被害申告によれば、スーツケースには計4億2300万円の現金が入っていたとのことです」(社会部記者)

 現場にいた責任者を名乗る日本人男性は「日本円を羽田経由で香港に運び、香港ドルに替える仕事をしている」と弁明。海外へ100万円を超える現金を持ち出す場合、税関に申告が必要だが、金額の上限はない。運搬役たちは「1回3万円の報酬で現金を香港に運ぶ約束だった」と話した。

「一方、左のサイドミラーが折れたアルトは、強盗の現場から約500メートル先の路上に乗り捨てられていた。強盗グループはそこで暴力団関係者名義の白いアルファードに乗り換え、千葉、茨城を経て栃木方面へ逃走した」(前出・記者)

 第2の事件は、上野事件から2時間40分後の1月30日午前0時10分頃。現場は、国際線が離発着する羽田空港第3ターミナルに隣接した駐車場の3階だ。

《この続きでは第2、第3の事件の現場の状況、被害者側の共通項、入管関係者が示唆した“錬金術”の仕組みなど、巨額の現金強奪事件の全貌に迫っている。記事の全文は現在配信中の「週刊文春 電子版」および2月5日(木)発売の「週刊文春」で読むことできる》

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