以前から非弁行為ではないか、という指摘が
そもそも、弁護士以外が法律業務を行い報酬を得ることは非弁行為として弁護士法で禁じられている。退職を通知する以外の「残業代の請求」などの法律に関わる交渉は、退職代行サービスには不可能ゆえ、弁護士を紹介しているのだ。
モームリには、以前から非弁行為ではないか、という指摘があった。だが、同社は〈我々はあくまで依頼者の退職の意思を伝えているだけであり、(法律業務は弁護士に任せるので)交渉はしていない〉と説明してきた。
だがDさんによると、真の問題はその紹介料にあるという。
「週刊文春」は、実態を明らかにする複数の証拠を入手した。それによると同社は、2022年に弁護士と相談、退職希望者を紹介する見返りに、紹介料を受けとることにした。昨年10月30日に投稿された社内LINEには、弁護士からの連絡として、こう書かれていた。
〈●●●●様の件で、労働組合への賛助金をお振込みさせていただきました〉
労働組合とは、どういうことなのか。モームリ関係者が解説する。
「紹介金の名目で、弁護士がモームリ側に直接お金を支払うと違法となるので、まずいそうです。そこでモームリが提携する労働組合への『賛助金』という形式で支払っているようなのです。とはいえ、振込先はモームリと同じ口座です」
また、こんなやり取りも残されていた。
〈(弁護士を)紹介して成約したら1万6500円のバックがあり、先月はE(弁護士事務所名)だけでも合計24万円となっています〉
そうした行為について、弁護士の深澤諭史氏は、こう解説する。
「労働組合への賛助金という名目で支払われていたとしても、実質的に紹介料になっているとすれば、受け取った側は、弁護士法第72条違反の犯罪に当たります。罰則は2年以下の懲役または300万円以下の罰金となる。紹介を受けていた弁護士も弁護士法第27条違反の犯罪になるほか、弁護士職務基本規程第13条1項違反に当たる。業務停止処分になる可能性もあります」
そこで質問状をモームリ側に送付。すると、対面取材に応じるという。オフィスに赴くと、顧問弁護士同席の上、谷本社長本人への取材が始まった。
