眉毛は自然な毛流れを活かした高度なテクニック

 高梨選手の眉毛についても、渡辺さんはその技術力に注目する。

「もともと眉毛の形も毛流れも綺麗なので、その素材の良さをきちんと生かされています」と述べ、手法をこう推測する。

「アイブロウはおそらく、パウダーとペンシルを併用しているのではないでしょうか。眉尻はペンシルでラインを綺麗に描き足し、全体にはパウダーで少し色を乗せる。そして眉頭は透明の眉マスカラなどで毛流れをきれいに整えているように見えます」

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 時系列で見ると、2018年頃は平行の太眉だったが、最近は日本の女優にも多く見られる「少し細めのアーチ型」へと変化しているという。

2026年1月、ノルディックスキー・ジャンプ女子のW杯蔵王大会の前日会見。「パーソナルカラーはおそらくウィンターかオータム。濃い色の方が似合う方なので、黒髪にしたことでより透明感が出て大人っぽくみえます」(美容クリエイター・渡辺茉優子さん) ©時事通信社

 また、アイシャドウには一貫したルールがあるようだ。

「基本的には肌なじみのいい、ブラウンやベージュ系の色味を選ばれています。色を乗せるというよりは、ラメ感のあるシャドウを上まぶたと、下まぶたにも使うのが特徴。下まぶたにラメを入れるとレフ板効果で目に光が入りやすくなりますし、涙袋が立体的になって顔が小さく見える効果もあります」

2023年のサマースキージャンプ山形蔵王大会。この頃はハイトーンカラーの髪型も印象的だ ©文藝春秋

目元に視線を集めるために計算されたバランス

 特徴的なアイメイクの一方で、顔全体のバランスは「目元に視線が集まるよう」綿密に計算されている。

「リップやチークに濃い色を入れると視線が分散してしまいます。高梨選手の場合、チークはあまり入れず、血色感が出る程度の色を薄く乗せているだけかなと。こうすることで、パッと目元に視線が集まるような組み立て方をされています」

 リップも同様に「ヌーディーなベージュ系」を選び、目元を引き立てる引き算のメイクをしているようだ。

2024年ティファニーのイベント。「フォーマルな装いにあわせて、リップラインをしっかりとったり、より束感をつくったまつ毛に仕上げています。瞳に光が入って見えることから人気の『水光カラコン』を使用しているようにも見えます」(美容クリエイター・渡辺茉優子さん) ©時事通信社

「資生堂メイク」はハイライトで立体感を演出

 ちなみに高梨選手は2016年、20歳を前にしたタイミングで資生堂とスポンサー契約を締結しており、「メイクの変化はその影響もあるのでは」と囁かれているが、プロの目にはどう映るのか。