自衛隊の降下訓練を追う旅は、習志野、王城寺原(おうじょうじはら)を経て、ついに最北の地・北海道へ。氷点下15度、一面の銀世界で展開されたのは過酷な多国間空挺降下訓練だった。報道カメラマン・宮嶋茂樹氏による密着取材記。(全3回の3回目/最初から読む

マイナス15度の北海道大演習場で目撃したのは… 撮影=宮嶋茂樹

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日米加による空挺降下訓練が実現

 多国間降下訓練はさらにその舞台を北上させ、豪雪地帯の北海道大演習場へと移っていく。作戦名も「ノース・ウインド26」と変わり、その名の通り、極寒地での多国間降下訓練である。

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 日本側基幹部隊も第1空挺団に変わって地元・滝川駐屯地をホームとする第11旅団隷下の第10即応機動連隊1400人。降下するは王城寺原演習場と同じくアメリカ、アラスカ州とこれまた極寒地から馳せ参じた米陸軍第11空挺師団。そして同じく極寒地のカナダ・アルバータ州から派遣された、カナダ陸軍プリンセス・パトリシア軽歩兵連隊である。

 

 トランプ米大統領の気まぐれ関税政策ではなにかとぎくくしゃくする米加関係だが、軍事的連携への影響はまったく見られず、本「ノース・ウインド26」作戦では米軍の一部隊としての参加となった。なお日米の両参加部隊が11旅団と11師団と11でぞろ目になったのは偶然にすぎない。

オブザーバーにデンマーク軍も…

 さらに、オブザーバーとして英陸軍、フィンランド軍、デンマーク軍と、これまた極寒地をかかえる国々が参加。そう、デンマークである。トランプ大統領が「次はデンマーク領グリーンランドを領有する」と国際社会で公言する、デンマーク軍の観戦武官、もとい連絡将校が参加したのである。

 今回の「ノース・ウインド26」作戦は、米軍のグリーンランド武力侵攻を前提にしているのだろうか。そして、デンマーク陸軍からのオブザーバーは、それが気になったからわざわざ参加してきたのだろうか。いや、トランプ大統領は武力侵攻については否定しているのだが……。