これが訓練で終わることを切に願うが…
訓練開始式で訓示を述べられたのは、本「ノース・ウインド26」作戦の日本側統裁官にして第11旅団長の足立吉樹陸将補であったが、担任官は北部方面総監の井土川一友陸将であった。
井土川総監とは防衛大学卒業直後の3等陸尉のころからの知己である。そのころから日本を取り巻く安全保障環境は厳しくなる一方だが、不肖・宮嶋はあいも変わらず、泥や雪のなかを這いずりまわるカメラマン生活である。
今回の共同訓練が訓練で終わってくれることを切に願うが、祈るだけで、平和は得られない。第1空挺団はじめ22万自衛隊員が厳しい訓練を休む日はまだまだ来そうにない。
それにしても、今回の一連の降下訓練を取材して改めて痛感した。空挺団にドローンや犬型ロボが配備されようと、敵陣に落下傘で舞い降りなければならない空挺部隊の任務は戦後80年以上経っても変わらない。
再度、言わせていただく。戦争を避ける唯一の方法は「他国を侵略すれば自国も相当な返り血(人的経済的損害)を浴びる(受ける)」と知らしめることしか、今のところ思いつかない。
特に我が国は、3つの核兵器保有国を隣国としている。いずれも、いつ暴走してもおかしくない専制国家である。もう小泉進次郎防衛相の言葉を借りるまでもなく、「日本を取り巻く安全保障環境は厳しくなる一方」である。
今こそ自衛隊員の生活環境改善を
北方領土はロシアに、島根県竹島は韓国に不法占拠されたまま、尖閣諸島周辺海域では日本の漁船が自由に操業できない状態が続く。日本海も北朝鮮の弾道ミサイル発射実験場と化している。はたして「備えは充分」と言えるのか?
「精鋭無比」かつ日本唯一の空挺旅団に配備されたドローンやロボット、武器弾薬の数も質も充分か。エネルギーや食糧は充分に備わっているのか。
自衛隊は今も慢性的に定員割れを起こし、1人の自衛隊員にかかる負担も責任も重くなるばかり。一方、定数削減により自らの食いぶちが減るかもしれない政治家の多くは、自衛隊員の生活環境改善など無関心である。
日本が80年以上戦禍に巻き込まれなかったのは、同盟国の核の傘に守られ、日本に手を出せば「自衛隊だけでなく、その同盟国と同志国とも戦わなければならない」と思わせてきたからである。
このたびの総選挙、我々の負託に応えうる人物を選べたであろうか。
撮影=宮嶋茂樹
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