「連立拡大で衆参過半数をとる。そして高市がやりたい政策を実現して、解散は27年がいいだろう。そこで勝てば、その年9月の総裁選を無投票で乗り切れる」

 早期解散に踏み切れば、麻生たちの思いを踏みにじることになる。高市は冒頭解散のシナリオを封印し、国会召集日を1週間後ろ倒しして1月23日に決めた。

「予算委員長を替えられないの?」

 しかし逡巡は続いていた。自民は年明け1月3、4日の両日、改めて選挙情勢調査を行った。その結果、自民は60議席以上増やす260。立憲民主党は70まで半減するとの結果だった。単独過半数どころか自民で安定多数を取れる。あとは参議院で過半数を確保できればいい。

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解散まで予算委員長を務めた枝野幸男氏(中道改革連合)は落選 ©文藝春秋

 さらに、高市には目障りな存在がいた。衆議院予算委員長を務める立民の枝野幸男だ。枝野は石破政権で委員長だった安住淳と違い、野党らしく高市に厳しかった。野党側が指名すれば、すべて高市に答弁を求めた。臨時国会で委員長の指名に逆らって答弁を強行しようとした外相の茂木敏充に「指名しておりません!一旦下がってください!」と声を荒げる場面もあった。高市は辟易する思いを周囲に何度もこぼした。

「予算委員長を替えられないの?」

カット・泊明 ©文藝春秋

 しかし与党で安定多数を確保できなければ、委員長ポストを野党に振り分けざるを得ない。後日、解散表明の会見で高市は衆参本会議や予算委員会の審議に対応する中で、「不安定な日本政治の現状、永田町の厳しい現実を痛いほど実感した」と率直に語った。通常国会では予算委員会で何度も答弁に立たされるだろう。内政、外交のみならず、自らの政治資金問題への追及も必至の状況で、予算委員長を替えたいとの思いも強くなっていた。

この続きでは、解散に至るまでの高市首相の動向を詳細に伝えています。約5800字の全文は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」と「文藝春秋」2026年3月号に掲載されています(赤坂太郎「最強の参与・今井尚哉の解散戦略」)。

文藝春秋

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最強の参与・今井尚哉の解散戦略

出典元

文藝春秋

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