総選挙を終え、積極財政に突き進む高市政権。アベノミクスの継承を主張する高市首相の経済対策について、異次元緩和を主導した前日銀総裁・黒田東彦氏はどう評価するのか。

前日銀総裁の黒田東彦氏 ©文藝春秋

経済学者・成田悠輔氏と対談

 黒田氏は、2月10日(火)発売の「文藝春秋」3月号で、経済学者・成田悠輔氏と対談。高市首相の政策について、次のように語った。

「アベノミクスの時は円高でデフレだったから『金融緩和』と『積極財政』が効きました。けれど今は逆に円安でインフレなんだから、本来は金融も財政も引き締めるべきだと思います。AIなど最先端技術を財政で支援するのはいいと思うんですけど、物価高対策として『おこめ券』のような形で出しちゃうと、むしろインフレを促進する可能性があると思います」

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財政の持続可能性に対する不安が一時的に強まり、円売りが進んだ

 黒田氏が進めた異次元緩和が、いま急激な円安となっている原因の一つではないかと成田氏が問うと、黒田氏は次のように答えた。

成田悠輔氏 ©文藝春秋

「それは全然関係ないですよ。だって、異次元緩和は2023年まで。私が退任した後、2024年からは、植田(和男)日銀総裁の下で金融政策の正常化、つまり段階的な利上げが始まっているわけですから」

 さらに黒田氏は、現在の円安の原因として、高市首相が進める積極財政と、その持続可能性に対する不安を挙げた。

「現在の円安には別の要因があって、ひとつには市場が『高市トレード』と呼ぶ動きがありますね。つまり高市総理が掲げる大規模な財政拡張策に対して、財政の持続可能性に対する不安が一時的に強まり、円売りが進んだというものです」

©文藝春秋

 そのほかにも黒田氏は、日銀の債務超過の可能性、いまの実質所得をどう見ているか、為替介入の現場感覚などについて詳細に語っている。対談は、月刊「文藝春秋」3月号(2月10日発売)、および月刊「文藝春秋」のウェブメディア「文藝春秋PLUS」(2月9日先行配信中)に掲載されている。

文藝春秋

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いまは金融も財政も引き締める時です

出典元

文藝春秋

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