実際のところ、基準となる平均的な顔は、魅力も並程度というわけではありません。コンピュータ・グラフィックスで平均顔を作ってみると、素材の顔はなんであれ、それぞれの個性的な特徴はブレンドされ、どこかで見たことがあるような、それなりに魅力的な顔が出来上がります。そうなると実際に振り返った顔は、ほとんどが魅力として平均顔には負けてしまうのです。ただし、実際に魅力的な顔に限っていえば、マスクを外しても平均顔に負けなかったというわけです。

世界中の美男美女が、顔の基準を構成している

 ところで、この美の基準となる平均顔は、年々より魅力的になっている可能性があります。それは見ている顔のグレードが年々アップしているためです。

 日本で生まれ育った人が築く顔の基準は、昔は家族や学校、近所に住む人の顔ばかりで構成されていました。そこからメディアの洪水を受けるようになった現在、これまでの社会ではありえないくらい、ずっと多くの美男美女の顔を見ています。私たちが見ている顔は、実はものすごく偏っているのかもしれません。

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 ハリウッドスターから韓流アイドルまで、私たちの生活の中にいつの間にか入り込んだ世界中の美男美女が、顔の基準を構成しているということです。イケメンにこだわる昨今の風潮も、顔に厳しくなりすぎることも、そんな風潮や歪んでしまった平均顔に原因があるのかもしれません。

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