「逃げません」。高市早苗首相が自民党の公式YouTubeで訴えた言葉である。

 その後の衆院選で自民党は316議席を獲得。定数の3分の2を超えた。巨大与党の誕生だ。だが、300議席とはもはや誰のせいにもできない立場に立ったということでもある。「どうぞチェックしてください」「どうぞ批評してください」と堂々と言う立場のことでもある。

300議席超えの大勝利となった自民党 ©時事通信社

気になったのは「他責」に聞こえる言説

 さぁ、そうなると楽しみなのは国会だ。実りある論戦が行われるか注目なのである。ただ、昨年秋の国会で気になったのは「他責」に聞こえる言説だった。台湾有事をめぐる答弁では「質問が悪い」という擁護論まで飛び交った。首相自身も、政府見解を繰り返すだけでは審議が止まる可能性があったと釈明した。結果として、自分のせいではないという印象が残った。

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 そして今年。解散により国会での論戦は先送りされた形になった。では選挙戦での政策論争が深まるかと思いきや、直前まで「悲願」と語っていた消費減税の話題はされなくなった。NHK討論の出演も見送られた。体調の問題ならやむを得ないが、再設定もなかった。その結果、「信任するか否か」という構図だけが前面に出たまま、選挙は圧勝に終わった。

 では、「逃げません」と語った首相はこの国会でどう振る舞うのか。これは野次馬的な興味では済まない。過去の「実績」があるからだ。振り返ればいくつかの騒動があった。おさらいしておこう。