内山拓也監督は『佐々木、イン、マイマイン』(20)、『若き見知らぬ者たち』(24)で知られる1992年生まれの俊才。北村と組むのは初めてだが、以前から友人として交流があったという。互いに「いつか一緒に」という想いを抱き、本作でようやく結実した。
舞台となった海沿いの新潟は監督の故郷。全体は4章に分かれ、4人の若い役者が “大地”をリレー形式で繋ぐ。最後のバトンを受け取った北村は、25歳の大地を演じた。
なかばラブレターのように「新しい北村匠海を一緒に見たい」
実は、北村のベルリン入りはスケジュールの都合で最後まで不確定だった。が、本人の強い希望もあり、深夜便で早朝にベルリン着。そのまま数多の取材をこなし、夜のプレミア上映を経て、日本にとんぼ返りをするという超ハードな0泊弾丸滞在に。そんな貴重なプレミア上映の合間に、北村に話を伺うことができた。
——今回、大地役を引き受けようと思った一番のモチベーションはどういったことでしたか。
北村匠海(以下、北村) 僕が内山監督に対して人間として抱いている愛情と、内山監督がこの作品に対して持っている愛情、そこだったかな。『佐々木、イン、マイマイン』(20)が公開された時、僕ら役者仲間でものすごく盛り上がったんですね。内山監督と「いつか絶対一緒にやりたい」と思っていた中で、この『しびれ』の話がきて。その時に、内山監督が企画書と一緒に、僕にオファーした理由を、なかばラブレター的に書いてくれました。
「新しい北村匠海を探したい、一緒に見たい」ということが書かれていましたが、それは僕が生きてきた人生を肯定してくれてることでもあるし、北村匠海を認めてくれているということでもあるし。そういう意味で、すごく信頼と愛情を持って作品に臨みました。
この『しびれ』をやっている時って、(NHK連続テレビ小説の)『あんぱん』の撮影中だったので、撮影時期が二転、三転し、自分が監督の期待に応えられるかわからないと悩んだタイミングもありました。それは監督と作品に対しての愛情がすごくあったからこそですが、監督が事務所に来て話をしてくれる中で、やはりもう「これは僕にしか応えられない」と思ったというところが、一番の理由かな。

