ご回答が難しい「愛子さまの今後」について天皇陛下は…

 天皇・皇后の公務は、書いたものだけで学ぶことはできない。実際にその場でどんなことを感じ、人々とどのように接しているのか。そうした空気感を一緒に行って実地で学ぶことこそ、まさに「次の世代」への継承にもなる。この訪問で、天皇・皇后の公務に愛子内親王が同行し、間近でそのあり方を学ぶこと、そして震災の記憶を継承していくことが期待されるだろう。

 会見では、こうした愛子内親王による継承を強調した天皇の回答に対し、記者から「陛下は先ほど、平和の尊さを次世代へと引き継いでいく役割を愛子さまにも担っていってほしいというお気持ちを示されましたが」、「こうした大切な務めについて、愛子さまには皇族として末永く、このような活動に携わってほしいというような思いの表れで」しょうかというさらなる質問があった。

 ただし、これは回答が難しい。現在、国会で議論されている「皇族数確保」の問題と関連してしまう可能性があり、制度論や法律論に天皇が何らかの発言をしたと受け止められる危険性もある問いだからである。さらには、愛子内親王の意思を尊重したいという思いもあっただろう。

ADVERTISEMENT

ミラノ・コルティナ冬季五輪とパラリンピックの大会マスコットのぬいぐるみをご覧になる天皇皇后両陛下と愛子さま 宮内庁提供

 天皇は「私達はやはり愛子にも一人の人間として、そしてまた一人の皇族として立派に育ってほしいというふうに思って、今まで育ててきたつもりです。そういうことの延長線として、今後ともいろいろな面で力を出してほしいし、国際親善の面でも活躍してほしいという願いを強く持っている次第です」と答えた。おそらく相当に考えた上での回答と思われる。制度論や法律論には踏み込まないように、「人間」としても「皇族」としても育ってほしいと述べたのである。

愛子さまは両陛下と「長く一緒に時間を過ごせますように」と…

 とはいえ、会見では天皇は「愛子と3人で過ごす時間は、私たちの生活を和やかで楽しいものにしてくれるだけでなく、愛子が日々の生活の中で学び、経験する一つ一つのことが、親である私たちにとっても新たな学びへとつながっていると感じます」とも述べている。これは、愛子内親王が成年にあたっての記者会見で述べた「『これからもどうかお体を大切に。これからも長く一緒に時間を過ごせますように』という言葉も添えたいと思います」とも呼応するだろうか。しばらくは3人一緒に行動する機会はさらに増えていくものと思われる。

次のページ 写真ページはこちら